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ちなみに、ここで言うNG志望動機は以下のような志望動機のことではありません。
- 給与が安定している
- 残業が少ない
- 福利厚生が良い
このあたりが志望動機としてNGなのは、言うまでもなくわかっているはずです。
実際、こういった志望動機で面接に来る人は、今はほとんどいないでしょう。
この記事では、上記のようなレベルの低い志望動機ではなく、「受験生の間でもそこそこ使われているけど、実はあまり印象が良くない志望動機」を紹介していきます。
「ダメというわけじゃないけど、推奨はしない志望動機」を紹介していくイメージですね。
そして後半では、NG志望動機を踏まえ、数十個の志望動機を見てきた私が、予備校講師の経験も踏まえつつ確立した「志望動機の正しい作り方」を紹介していきます。
その志望動機、実はNGです
ここでは、即減点ではなくとも、間違いなく印象は良くない志望動機を3つ紹介していきます。
私が通っていた予備校に面接対策に非常に詳しい方がおり、その方が「おすすめはしない」といっていたものになります。
割と一般的に使われている志望動機もあるので、「これもだめなの!?」と思う方もいるかもしれませんが、理由を聞いてもらえれば納得できるかと思います。
私自身、集団面接をいくつも受けた経験から、受験生のうち約半分が、この3つのいずれかの志望動機を使っていました。
もちろん、そういった受験生が全員不合格だったわけではありません。
それでも、以下の3つに当てはまる志望動機を使おうとしてた受験生は、絶対に直しておくべきだと思いますよ。
× やりたい仕事をそのまま志望動機にする
これは割と多いんじゃないでしょうか。
もちろんやりたい仕事は絶対に準備しておくべきですが、以下のようにそのまま志望動機にするのってあまりよくないんです。
・観光面で伸びている~県で、外国人旅行者を更に増やしたいと思い、志望しました。
それっぽい志望動機にはなっていますよね。
それではなぜダメなのか。
これに対する実際の受験生の回答は以下の2通りでしょう。
- 「他に環境保護や高齢者支援にも御市は力を入れてるので、そちらもやってみたいです」
他のやりたい仕事をあげるパターンですね。
ただ、そもそもこの質問の意図は「やりたい仕事以外の部署に配属されたらどうするか」なので、答えとして適切ではないと思います。
- 「御市の活性化や市民への貢献につながるなら、どんな部署の仕事でも全力で取り組みます」
どんな部署に配属されても頑張れる ということをアピールするパターンです。
面接官の立場からしたら好印象なので、機会があればこういったアピールを行うのもいいと思います。
でもこの場合、鋭い面接官であれば「ならあなたの志望動機はさっきのやりたい仕事ではなく、市の活性化や市民への貢献が志望動機になるんじゃないの?」と突っ込んでくるでしょう。
以上のように、やりたい仕事をそのまま志望動機にした時点で、面接官次第では「どう答えても詰み」の状況になってしまうんです。
× やりたい仕事に結びつかない志望動機
「やりたい仕事を志望動機にするのはNG」と書きましたが、「やりたい仕事との関連性が薄い志望動機」もそれはそれでNGなんです。
立派な志望動機を言っていても、やりたい仕事とは結び付かないパターンですね。
この志望動機を自信満々で言っている受験生もグループ面接で見かけました。
「市民との協働を第一とし、各人が地域課題の解決に尽力する市を実現していくという姿勢に魅力を感じたためです。」
・やりたい仕事
「市民との距離が最も近い窓口系の部署で、自身の強みである傾聴力を活かし、市民に直接貢献していきたいです。」
それぞれ単体で見ると悪くはないと思うんですけどね。

これはあくまでも一例ですが、志望動機からやりたい仕事が導き出されるような形にしておかないと、「適当な志望動機なんだな」と面接官に思われてしまうので、気を付けてくださいね。
△ 基本構想や基本計画に共感したから
基本構想や基本計画をあげて、そのまま志望動機に使う人も意外と少なくないです。
例えば、大田区の基本計画には以下のような記述があります。
地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた
これをそのまま使い、「地域の皆で考え、ともに支え合う地域共生の実現を目指す港区の姿勢に共感したため、志望しました。」と言う人もいました。
まあ私はこの志望動機を聞いても、特に印象は下がりませんが、面接官によっては減点されることもなくはないでしょう。
じゃあ、どんな志望動機が良いの?
志望動機のNG例がわかったところで、「正しい志望動機の作り方を知りたい」という方も多いと思います。
ここでは、志望動機の作り方について軽く触れていきます。
上記のNG例から学んだことが守れてればOK
実は、志望動機だけで減点されたり、加点されたりすることは少ないそうです。
なので、志望動機に時間をかけすぎるよりは、その後の回答との整合性や説得力を重視した方が効率的だと思います。
「そう言われても、どうしても納得のいく志望動機ができない」という方は、以下に「失敗だけは絶対にしない志望動機の作り方」を書きましたので、参考にしてください。
失敗しない志望動機の作り方
そもそも志望動機の作り方は人によっても変わってくるので、確実に評価される志望動機の作り方を示すのは不可能です。
それでも、志望動機が決まらなくて困っている方向けに、私なりの「少なくとも面接官の印象が下がることはない志望動機の作成方法」を紹介します。
私の経験上、プラスの評価がされるかはあなた次第ですが、印象が悪くなることは絶対にないと思います。
そのうえでキーになるのは、
- 基本計画×自分の長所×やりたい仕事 を結び付けることです。
具体的には以下の通りです。
②その中で、できるだけ多くの部署と関連しており、自分のやりたい仕事も導けるような部分を探す。
③その内容を実現するために、自分の長所をどう活かせるかを考える。
④基本計画・やりたい仕事・長所を結び付いた志望動機を作成する。
大田区役所の基本計画「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」という記述を例にとり、この手順を踏んで出来上がった志望動機は、以下のとおりです。
志望動機サンプル【大田区】
私が大田区を志望した理由は、私自身の強みを活かし、「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」を実現したいと感じたためです。
2020年にはオリンピックが開催されることもあり、「未来へ躍動する国際都市」を実現するために、インバウンドを推進する重要性はこれからさらに高まっていくと考えています。そこで、私の長所である「傾聴力」、そして大田区の強みである「地域力」をそれぞれ活かして、外国人観光客の増加を図っていきたいと思っております。
具体的には、高山市などで行われているような外国人旅行者向けのアンケートを行い、自身の「傾聴力」を活かして、訪日外国人が不便に感じている部分のニーズをくみ取り、解決策を講じていきたいと思っております。
また、大田区の「地域力」を活かし、地域住民からの積極的な協力を通じて、観光ボランティアの育成を促進していくことで、インバウンドを増加させていきたいと考えます。
まあ構成としては、大雑把にこんな感じですね。
本当は私の受験生時代の志望動機を書きたかったんですが、受験先がバレるのも嫌なので即興で考えました・・・(笑)
一応、内容的に稚拙な部分はありますが、これくらいなら見逃してくれるかなと思います。
ちなみに、以下のポイントで面接官に評価されるはずです。
- 区のことについてそこそこ調べている
- 自分の長所と区の強みを理解し、やりたい仕事の内容に落とし込んでいる。
- 受験先だけでなく、他自治体の事例も調べている
- オリンピックといった社会情勢を視野に入れている
こんな感じですね。
みなさんも志望動機を作る際は、以上の点を意識して作ると失敗はしない志望動機が作れると思います。
公務員試験の志望動機まとめ
ここで、NG志望動機を復習しておきましょう。
- やりたい仕事をそのまま志望動機にする
- やりたい仕事と志望動機が結び付かない
- 基本計画・基本構想に共感したから
以上の3つですね。
このあたりは即減点というほどじゃなくても、緩い面接官でないと見逃してはくれないと思います。
改めて言いますが、体感では受験生の約半分は上記のNG志望動機のうちのいずれかを話していた印象です。
だからと言って、評価がものすごく下がっているというわけではありませんが、確実にあなたはその人たちにリードできるわけです。

私は受験生時代、面接は得意だと思っていましたが、これらに関しては予備校で言われるまで気づきませんでした。
皆さんはこの情報をしっかり活かし、志望動機から周りに少しでも差をつけていきましょう!
この記事が、公務員試験の志望動機で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
この記事を読んでわからなかったこと、その他公務員試験に関して、公務員の仕事に関して、なんでも気軽に聞いてくださいね。