公務員ラボへようこそ。
市役所や県庁、国家一般などでは、集団討論(グループディスカッション・GD・グループワーク)が課されることがあります。
司会やタイムキーパー等、いくつかの役割があることが多いです。
私は、市役所や県庁、民間も含め、集団討論で落ちたことはありませんでした。
その経験を惜しみなく暴露しつつ、私がおすすめする集団討論の役割について解説していきます。
目次
公務員試験の集団討論で司会をおすすめする理由
あくまで個人的な意見ではありますが、結論から言うと、集団討論でおすすめの役割は司会です。
もちろん司会をやる自信がない方は無理にやらなくてOKですが、司会に抵抗がない方は司会をやった方が良いです。
「司会ってハイリスクハイリターンで、難しいんじゃないの?」と思われるかもしれませんし、間違ってはいないんですが、「合格」を目標としたときに、最も安定しているのは司会だと思います。
私も受験生時代は基本的に司会をやっていました。(他に司会を希望する人がいたら譲ってました)
特に喋りがうまいわけでもなかったですが、公務員試験でも併願した民間企業でも、周りの力を借りつつ、うまく議論を進めることができました。
「ただ毎回同じことをやっているだけなのに」です。
ここでは、集団討論を練習含めて約20回行い、様々な役割を経験した私が、なぜ司会がおすすめなのかを解説していきます。
集団討論の役割の中で司会が最も加点されやすい
司会はある程度議論をしっかり進めるだけでも、加点につながりやすいです。
またおそらく、受験先にもよりますが、集団討論では司会をやっただけで加点されることも考えられます。
基本的にグループ全体の出来に左右されるうえ、グループ内で争うことはできない集団討論において、周りに差をつけることができるのは大きいです。
それだけでなく司会は議論の中心にいるので、更に積極的に加点を狙う機会が多いんです。
まとめ役をやったり、結論を出すための軸を提示したり、普通に自分の意見を出したりといった形での発言権を、最初に得やすいからですね。
まあ、そこで更なる加点を狙いに行かずとも、公務員試験の倍率なら、無難に司会をこなすだけでも通ります。
タイムキーパーや書記は、やるだけで加点はおそらくありません。
それに対し、司会はそれだけで加点をもらえる可能性もあります。
集団討論の司会は毎回同じことをすればいい
集団討論では「テーマに関して良い意見を出せるかどうか」というのも、採点対象の一つです。
テーマの内容が毎回変わる中、そういった思考能力も試される試験なんです。
これって、怖くないですか?
特に公務員試験では、現在の社会情勢をふまえたテーマがよく出るので、そのテーマについて詳しくないと、中々良い意見が出せません。
もちろんそれ以外の部分で勝負できる人なら良いのですが、そうでない人は、「詳しくないテーマが出たら終わり」という状態になりかねません。
それが、司会ならなんとかなってしまう可能性があります。
ちなみに「司会も自分の意見を出さなきゃダメ」と聞いたことがある方もいるでしょう。
もちろん、自分の意見も出せるとなお良いですよ。
ただ、私の経験上、自分の意見は少なくとも、最低限場をまとめて進行し、結論に導けば合格は十分可能です。
民間のIT企業を練習で受けた時、「ビッグデータなどに関する専門的な、あまり分からないテーマ」が出たことがありました。
この時も、司会で周りの意見をまとめて、とりあえず無難に結論を出すだけでも合格できました。
まあこれは極端な例ですし、運もあったかと思いますが、どんなテーマで同じような立ち回りができ、安定して得点できるのが司会の強みですね。
話すのが苦手な人でも練習すれば司会は出来る
話すのが苦手な人に、無理に司会をやれとはもちろん言いません。最適ではない可能性もあります。
ただ、実は多少であれば話すのが苦手な人でも、相当抵抗がある方でなければ、司会は練習を繰り返せばできるようになるんです。
理由は、以下の二つです。
- 毎回同じことをすればいいから
- 発言する機会が勝手に回ってきやすいから
1点目は、一つ前の項目で紹介したように、「司会はテーマが変わっても毎回同じことをすればいい」というのがあります。
もちろん、良い意見を思いついたら発言しても構いませんが、基本的にはグループから良い意見を抽出したり、結論を出すための軸を選ぶだけです。
ちなみに、練習は予備校でも良いですし、あとはキャリアセンターや民間のグループディスカッションイベントに参加してみるのもおすすめです。
話すのが苦手な人は、「司会なんてできない」と思っていることが多いですが、逆に苦手だからこそ「その逆境で合格をつかみ取る」なら司会にチャレンジしてみるしかないと思っています。
厳しいことを言うようですが、「話すのが苦手なら、司会以外をやっても合格は難しい」という理由もあります。
司会をやった方が良い理由の2点目に、「司会をやっていれば発言する機会が多いので、他の役割をやるよりは発言もしやすい」というのがあります。
正直、司会以外で発言を伸ばせるのはコミュニケーション能力が高い人が多いです。
司会は、そういった人の意見を積極的に取り入れて進行をしつつ、他の人に話を振ったりしていれば、それだけでもそこそこ発言が伸びます。
しかも、自分が主導権を握れるので、難しい部分は他のできそうな人に「ここはどうすれば良いと思いますか」といった形で協力を求めてしまってもいいんです。
以上のことから、「他の役職が得意な方」や「どうしても司会には抵抗がある方」以外には、話すのが苦手でも、司会をおススメします。
公務員試験では司会が一番合格率が高い【完全に体感・個人的意見です】
正直、司会を進める理由として、これがかなり大きいです。
私は実験のため、民間を受ける際、一緒に集団討論を行った人に呼びかけライングループを作り、合格した人はそのラインで報告してもらうように頼んだんです。
「なんだそれ」という顔をする人は意外と少なく、「自分のグループで誰が通ったのか」は気になるようで、皆さん進んで協力してくれました。
この結果から、最も通過率が高かったのが、司会をやった人でした。
ちなみに、私が就職した市役所の同期に話を聞いても、司会をやっていた人が多かったので、(少なくとも私が受験したところでは)民間でも公務員でもこの傾向は変わらないようです。
司会をやった人が優秀というパターンもありましたが、司会はそこまで大きな役割をしていないのに「グループ全体の出来が良かったので司会も合格した」というパターンも多かったですよ。
実は司会って、グループ全体の出来が悪くなければ、落ちることは多くないです。
民間では、集団討論の倍率が5倍以上であることもざらなので、必ずしも当てはまらないかもしれませんが、公務員試験では、集団討論の実質倍率は2倍を切ることも多いですよね。
なので、グループでしっかり議論をして、無難に結論にたどり着いたなら、あなたが司会をやっていればある程度高確率で合格できるはずです。
【司会以外も】公務員試験の集団討論おすすめ役割ランキング
ここまでは、ひたすら司会をおすすめしてきましたが、「それでも司会にはどうしても抵抗がある」という方もいるでしょうし、だれにでも最適というわけではありません。
そこで、私が思う集団討論のおすすめ役割ランキングを書いていきます。
適材適所という言葉もあるので、この記事を参考に、自分に合った役割を見つけましょう!
1位:司会【安定して高得点が得られる】
1位はやはり司会(リーダー)ですね。
詳しい説明はもう省略しますが、「加点がもらいやすい」や「細かいコツがいらず、テーマに関わらず、安定した合格率が期待できる」点が魅力ですね。
2位:発表者【ハイリスクだが得意なら絶対にやるべき】
「発表者」という役割は、試験によってはない場合もありますが、あると仮定して説明します。
発表者は、司会以外でおそらくは唯一、「やるだけで加点がもらえる可能性がある役割」です。
ただ、以下の理由から、発表は向き不向きが表れやすい役割なので、2位としました。
- コツは多少はあるがいくら練習しても緊張はするし、話すのが苦手だと厳しい
- 「2分以内」など時間を指定されることが多く、時間を意識しながら話すのは難しい
- 採点方式によっては、グループの出来も発表で左右されてしまうので、責任重大
こういったことから、発表はやりたがる人は少ないです。
発表者を決める段階に時間をかけるグループも、何度も見てきました。
ただ、発表が得意な方であれば、絶対にやるべきです。
人事側も、発表はとても難しいということはわかっています。
その中で発表に立候補した積極性に加えて、上手く発表出来れば、更に加点されることは確実です。
議論の中であまり得点が稼げていなくても、一発逆転もあり得ますからね。
なので、仮に議論の最後に発表者を決めるシステムの場合は、「このままでは合格は厳しそうだな」と思ったら、一か八かで発表者をやってみるという戦略も十分ありです。
3位:役割なし【司会に抵抗がある方におすすめ】
2位は発表としましたが、司会に抵抗がある方に発表をやれというのも酷な話だと思います。
そこで、司会に抵抗がある人は、「役割ナシ」を選択してもOKです。
正直、書記やタイムキーパーは加点されるわけでもないのにやるべきことが増えてしまうので、それよりは役割を持たないほうが、議論への参加はしやすくなると思います。
役割なしの立ち回りとしては、様々なことが考えられます。
- 「裏司会」として、議論の流れを操る役割
- 「副司会」として、議論の進行を補助する役割
- 鋭い意見を出すエース的な役割
- 盛り上げ役(やり方次第では高評価)
これらはあくまで一例なので他にもできることはありますし、そもそもこの4つの中から複数やっても良いわけです。
このように、「なんでもできる」のが役割なしの良いところです。
フリーに立ち回って、いろいろな面からグループに貢献していきましょう!
4位:書記【まとめ役が得意ならこれもあり】
先ほど、タイムキーパーや書記よりは「役割なし」のほうが良いと書きました。
書記は、やるだけでは加点をもらえない上に、「書くのに夢中で議論に参加できなくなる」人が多いため、そのように書きました。
「議論がいったんひと段落して次の内容に移る時」や「議論が間違った方向にいきそうになった時」などに、これまでの流れをまとめて発言したり、正しい方向性を示すといった役割を果たすようにしましょう。
直接の加点はありませんし、議論の内容を書きながら発言も伸ばすのは難しいので、万人に勧められる役職ではありません。
ただ、やる人次第でははかなりの高得点をとることができる役職で、5回集団討論を受けると1人は書記が上手い人がいるイメージでした。
「手元に資料があるという強みを活かして、書記をしながらまとめ役も担える人」には向いている役職だと思います。
5位:タイムキーパー【メリットは少ない】
タイムキーパーは、やるだけで加点をもらえるわけでもなく、間接的に役割を活かして間接的に加点を狙えるわけでもないので、おすすめはしません。
タイムキーパーは役割としては最も簡単なのですが、簡単だからこそ、時間配分をミスした時のリスクもあります。
なのに、しっかり時間配分をしたところで、タイムキーパーには加点がもらえない場合も多いんです。
なので、こだわりがある人以外は、基本的にタイムキーパーをやるくらいなら、「役割なし」を選択するようにしましょう。
【公務員試験】集団討論の司会などの役割やコツまとめ
- 「自分に向いている役割が他にある人」や「司会への抵抗が強い」人以外は司会を選択肢に入れてみよう!
- 発表者は、発表が得意な人なら加点が狙えるので、積極的にやってみよう!
- 司会に抵抗がある人は、「役割なし」でフリーに立ち回るのも十分あり!
- 議論の内容を書きながらまとめ役ができる人は、書記も選択肢の一つ!
- タイムキーパーはメリットが少ないので、基本的にはやる必要はない!
集団討論の役割って、何をやればいいのか中々わからないですよね。
私は集団討論の練習をする際に、最初は余った役割を選んでいたのですが、そこで色々な役割を経験する中で、以下の二つのことに気づきました。
- 意外と司会がねらい目
- 毎回同じ役割をやって、1~2つの役割のスペシャリストになるのがおすすめ
2点目は、この記事の中でもあまり触れていなかった部分ですが、よく考えれば当然ですよね。
なので、この記事を参考に自分に合った役割を見つけたら、あとはその役割に絞ってひたすら練習を行うようにしましょう!
この記事が、公務員試験の集団討論の役割やコツで悩む皆様のお役に立てれば幸いです。