公務員ラボへようこそ。
なので、この3点で比較していきますね。
目次
国税・財務・労基の倍率(難易度)を比較
では、まずはそれぞれの試験の倍率を比較していきます。
第一志望の場合もそうですが、併願先として受けるのであれば、当然倍率が低い所を受けるべきです。
ちなみにいずれも女性の倍率が多少下がることが多い試験なので、男性であれば少し倍率は高くなります。
ボーダーに関しては、ここ数年の1次合格の最低ラインから算出した数字を掲載します。
国税の倍率・ボーダー:低い
受験者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 | ボーダー |
10,490 | 6,154 | 3,514 | 3.0 | 約5割 |
3倍は公務員試験の中でもかなり倍率が低い方です。
それに、国税は併願で受ける人も多いので、受験生のレベルも高くはありません。
全体的に難易度は低めの試験と言えるでしょう。
財務の倍率・ボーダー:高め
受験者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 | ボーダー |
1,721 | 850 | 526 | 3.3 | 約6割 |
財務の倍率はそれほど高くはありませんが、ボーダーはかなり高くなっています。
一次の合格ラインがこれということは、最終合格するには6割5分は欲しいところですからね。
また、受験生のレベルも国税よりもかなり高くなっています。
なので、見かけの倍率よりも難易度は高い試験と言えます。
労基の倍率・ボーダー:高め
受験者数 | 一次合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 | |
1,560 | 1,111 | 379 | 4.1 | 5割弱 |
マイナー科目が多く出題される試験なので、ボーダーは低くなっていますね。
ただ、倍率が4倍を超えており、国家専門職の中では最も高くなっています。
そして財務と同じく、受験生も第一志望の人が多い試験です。
なので、見かけのボーダーは低いですが、倍率・難易度共に高い試験と言えます。
国税・財務・労基の出題科目を比較
続いて、国税・財務・労基の出題科目を比較していきます。
併願先の出題科目を見る際に意識すべきことは、もちろん「他の試験と同じ科目で受けられるか」です。
なので、マイナー科目が少ない試験、もしくは、マイナー科目を捨てても合格できる試験を受けたいところです。
ちなみに、国家専門職の教養試験は3つとも以下のように同じ問題が出題されるので、比較する必要はありません。
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 | 内訳 |
文章理解 | 11 | ◎ | やや難 | 現代文:6 英語:5 |
数的処理 | 16 | ◎ | やや難 | 数的:5 判断:8 資料:3 |
人文科学 | 4 | △ | やや易 | 日本史:1 世界史:1 地理:1 思想:1 |
社会科学 | 3 | 〇 | 普通 | 政治:1 経済:1 社会:1 |
自然科学 | 3 | △ | やや易 | 化学:1 物理:1 生物:1 |
時事 | 3 | 〇 | 普通 | ー |
合計 | 40 (必須回答) |
ー | 普通 |
ー |
では、専門択一と専門記述の出題科目を比較していきます。
国税専門官:多少併願しにくい
まずは国税専門官の出題科目です。
労基ほどではありませんが、会計学や商法といった癖のある科目が必須回答なので、「科目的には」併願はしにくいと言えます。
専門択一
赤字は必須科目・それ以外は9科目中4科目を選ぶ選択科目です。
商法は必須とはいえ2問しか出題されませんが、会計学の8問は見逃せませんね。
商業英語や情報数学、情報工学を選択する人はほとんどいません。
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 | 内訳 |
民法 | 6 | ◎ | 普通 | ー |
商法 | 2 | △ | やや易 | ー |
会計学 | 8 | 〇 | 易 | ー |
憲法・行政法 | 6 | ◎ | 普通 | 憲法:3 行政法:3 |
経済学 | 6 | ◎ | 普通 | ミクロ:2 マクロ:2 経済事情:2 |
財政学 | 6 | 〇 | やや易 | ー |
経営学 | 6 | 〇 | 易 | ー |
政治学 社会学 社会事情 |
6 | 〇 | やや易 | 政治学:3 社会学:2 社会事情:1 |
英語 | 6 | △ | やや難 | ー |
商業英語 | 6 | × | 難 | ー |
情報数学 | 6 | × | 不明 | ー |
情報工学 | 6 | × | 不明 | ー |
合計 | 70 | ー | 普通 | ー |
専門記述
王道の科目ばかりで、都庁や裁判所・国家総合職などと被る科目も多いです。
専門記述のみを見れば、併願はしやすいと言えるでしょう。
科目 | 重要度 | 難易度 |
憲法 | ◎ | 普通 |
民法 | △ | 普通 |
経済学 | ◎ | 普通 |
社会学 | 〇 | やや易 |
会計学 | × | やや易 |
財務専門官:併願しやすい
財務専門官の出題科目は以下の通りです。
国税や財務と比べて、地方公務員や国家一般などと被る科目ばかりで、最も併願しやすい試験と言えます。
専門択一
赤字は必須科目となっており、その他黒字の科目の中から2科目を選択します。
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 |
憲法 | 6 | ◎ | やや易 |
行政法 | 8 | ◎ | 易 |
ミクロ経済学 | 3 | ◎ | 普通 |
マクロ経済学 | 3 | ◎ | 普通 |
財政学 | 6 | ◎ | やや易 |
経済事情 | 2 | 〇 | 普通 |
民法・商法 | 6 | △ | やや難 |
政治学・社会学 | 6 | 〇 | 普通 |
経営学 | 6 | 〇 | やや易 |
会計学 | 6 | △ | やや易 |
英語 | 6 | 〇 | やや難 |
統計学 | 6 | × | やや易 |
情報数学 | 6 | × | やや易 |
情報工学 | 6 | × | 難 |
合計 | 40/76(一部選択回答) | ー | やや難 |
専門記述
財務の専門記述は、合計5科目の内、1科目の選択回答になります。
国税とほぼ同じく、王道の科目ばかりで、都庁や裁判所・国家総合職などと被る科目も多いです。
科目 | 重要度 | 難易度 |
憲法 | ◎ | 普通 |
民法 | △ | 普通 |
経済学 | ◎ | やや易 |
財政学 | 〇 | 普通 |
会計学 | × | やや易 |
労働基準監督官:最も併願しにくい
続いて、労基の出題科目は以下の通りです。
労働法や労働事情、労働経済・社会保障といった、癖のある科目が出題され、最も併願しにくい試験ですね。
専門択一
赤字は必須科目となっており、その他黒字の科目の中から2科目を選択します。
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 |
労働法 | 7 | ◎ | 普通 |
労働事情 | 5 | ◎ | やや易 |
憲法 | 4 | 〇 | やや易 |
行政法 | 4 | 〇 | 普通 |
民法 | 5 | 〇 | やや難 |
刑法 | 3 | △ | やや難 |
経済学 | 13 | ◎ | 普通 |
労働経済・社会保障 | 5 | 〇 | やや易 |
社会学 | 2 | △ | 普通 |
合計 | 40/48(一部選択回答) | ー | 普通 |
専門記述
労基の専門記述は、2科目の必須回答になります。
どちらも他の試験では使えないものなので、専門択一も含めて考えると、併願には明らかに向かないことがわかります。
科目 | 重要度 | 難易度 |
労働法 | ◎ | やや易~普通 |
労働事情 | ◎ | 普通 |
国家専門職の併願先おすすめランキング
これまでのことを総合的に考えて、併願に向いている試験を決定しました。
是非、参考にしてください。
1位:国税専門官
国税は、国家専門職の中では最も併願に向いている試験です。
国税の特徴は以下の通りです。
- 倍率・ボーダー共に低い
- 第一志望の受験生が少ないので、難易度も低い
- 択一は商法や会計学と言ったマイナー科目が必須回答
- 専門記述の科目は王道のものばかり
唯一気になるのは、商法や会計学があることですが、これに関しては捨てても十分合格できます。
国税は商法と会計学を捨ててもそれほど問題ありません。
採用もれになる可能性も、国税よりも財務の方が高くなっていますしね。
以上のことから、国税は併願先として最もおススメできると断言します。
2位:財務専門官
財務は2位としましたが、国税と比べると大分難易度に差があります。
財務の特徴は以下の通りです。
- 第一志望の受験生が多い
- 倍率はそこそこ
- ボーダーは高い
- 採用もれが多い
- 出題科目は択一・記述共にメジャーな科目ばかり
出題科目だけ見ると、国家専門職の3つの中では最も併願しやすいのですが、そこに惑わされてはいけません。
3位:労働基準監督官
労基は言うまでもなく最下位です(笑)
労基の特徴は以下の通りです。
- 倍率が高い
- ボーダーは低い
- 第一志望の受験生が多い
- 択一・記述共にマイナーな出題科目が多い
特に説明は不要ですね。
ボーダーが低いわりに難しく、併願で受けるには向かない試験になっています。
大学時代に労働法を専攻していたケースを除き、併願はおすすめしません。
まとめ
- 国税はボーダー・倍率共に低く、商法や会計学を捨てることを想定してもおすすめ!
- 財務はボーダーや受験生のレベルがかなり高いので、併願には向かない!
- 労基はボーダーが低いが、倍率が高く、出題科目がマイナーなので、併願はNG!
国家専門職の併願は、どれを受けるか私も迷った覚えがあります。
当時は、予備校の講師に勧められるがままに国税を受けたのですが、今になってあの言葉は正しかったんだなと感じています。
併願は、特に強い思い入れがない限りは「合格しやすい所」を選ぶべきです。
以上のことから、やはり併願先としては、国税をおすすめします。
この記事が、国家専門職の併願先で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
この記事を読んでわからなかったこと、その他公務員試験に関して、公務員の仕事に関して、なんでも気軽に聞いてくださいね。