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(もちろん時間に余裕があるなら対策した方がいいですが)
その自信がない方は、時間があれば専門記述の対策をすることも視野に入れておいてください。
目次
専門記述を択一対策のみで乗り切るのは可能?【国税・裁判所・財務・都庁】
公務員試験の専門記述はできれば勉強したほうがいいですが「択一対策のみで乗り切ることも可能」と言いました。
ただ、正直受ける公務員試験次第ではあります。
この項目では、公務員試験別に択一の勉強のみで合格する難易度を書いていきます。
私自身の受験生時代の経験だけでなく、予備校でチューター・講師をする中で何百人もの受験生を見てきたので、正確なデータにはなっていると思います。
国税専門官:十分可能
まず、国税に関しては、択一が固まっていれば十分合格できます。
理由は以下の通りです。
- 国税の記述は基本的な出題が多い。
- 5科目の中から選択できる。
- 公務員試験の中でも1次試験の倍率が低め。
やはり【憲法・民法・社会学・経済学・会計学】から選択できるのが大きいですね。
そのうえ難しい問題は基本的に出題されないので、「5科目とも全くわからない」なんて事態にはなりにくいです。
この「全く分からない」状態にさえならなければ、国税では割となんとかなってしまうことも多いです。
記述は足きりさえ回避できればいいのですから。
そのための方法については後述します。
裁判所事務官・財務専門官:やや難しい
裁判所と財務に関しては、国税と違って、択一の知識だけで乗り切るのは少し難しくなります。
理由はシンプルで、
- 公務員試験の中でも倍率が高い
- 受験者のレベルが高め
まあ説明は不要ですね。わかりやすい理由です。
また、以上のことに加え、それぞれ難しいとされている理由がもう一つずつあります。
- 裁判所は、憲法しか選択の余地がない
他の試験では、科目選択式であることが多いですが、裁判所の専門記述は憲法のみで必須回答となってます。
苦手な分野や知らない分野からの出題だと、もう合格は厳しくなるので、運も絡んできてしまいます。
- 財務は専門記述を勉強してきている人が多い
これは私の経験則にはなりますが、私の予備校の財務受験者には明らかにこの傾向がありましたし、根拠もあります。
国税と同じ試験日で、国税より倍率も高く難しいとされている財務。
これをわざわざ選ぶ人は、「志望度が高いor難しくても合格できる自信がある」受験生が多いのは当然です。
以上を見てもらえればわかるかと思いますが、「少し難しいけど、可能ではある」という微妙なラインです。
個人的に裁判所・財務は、択一か面接に自信がある人なら可能だと思います。
都庁:かなり難しい
都庁に関しては、簡潔に済ませます。
不可能ではないですが、以下の理由で、かなり難しいです。
- 倍率が高め
- 3科目も選択しなければいけない
- 他の受験生は専門記述を勉強してくる
大人しく諦めましょう。

都庁には新方式という教養のみで受けられる方式があります。
面接の難易度は上がりますが、専門記述を勉強せずに普通に受けるよりは100倍マシですからね。
【公務員試験】専門記述を択一対策のみで攻略する方法
さて、受験先別の難易度がわかったところで、私が受験生時代に実践していた、公務員試験の専門記述を択一の勉強だけで攻略するためのコツを解説します。
「結局専門記述の対策しなきゃいけないの?」という声が聞こえてきそうですが、対策というほどのことはしません。
私が受験生時代に行っていた中でも、ほとんど負担にはならない かつ 合格可能性を確実に上げるためのコツに絞って紹介していきます。
本番では知ってることをひたすら答案に書こう
これはあまりわからない問題が出題されたときのコツです。
当たり前のことなんですが、意外と徹底できる受験生は少ないんです。
出題された論点に関して、知っていることをできる限り書き続けましょう。
あなたが「この分野の勉強をこんなにしてきたんだよ」というのを採点者にアピールするつもりで。
その中で知っているポイントをひたすら書けばいいんです。
表現の自由について、思いっきり書けることを書きましょう。
非常にアバウトな出題を例にとりましたが、裁判所や国税などの公務員試験ではこんな問題が出題されることもあります。
もちろん関連性が薄いことを書くのはNGですが、その論点に関する内容を書き続ければ、確実にいずれかは加点されるはずです。
足切りが避けられればいいんですから、これで十分でしょう?
これに関しては、推測の域を出ませんし、信頼のおけるデータもありません。
ただ、私はこの方法で裁判所に合格しました。
以上のことから、その論点に関する内容であれば、減点はない(あったとしても少ない)と個人的には思っています。
そもそも最初にも書いたように、これは「あまりわからない問題が出題されたとき用のコツ」です。
択一の勉強をするときも専門記述を意識しよう
これは本当に少し意識を変えるだけでいいです。
択一の対策をする中で、「専門記述で出題されそうだな」と思う論点に関しては、最も重要なポイントだけは言えるようにしてください。
これだけでも、もし公務員試験でその論点が出題されたときに確実に最低限の答案を書くことができ、足切りは回避できます。
ちなみに、専門記述で出題されそうな論点の簡単な見分け方は「択一の頻出論点」です。
結局、重要なテーマは、択一でも記述も頻出論点であることが多いですからね。
もう一度言いますが、時間はあまりかける必要はないですからね。
模試などの予想問題を活用しよう【重要】
これは他の2つの対策と比べると少し時間を割かなければなりませんが、当たった時には絶大な効果を発揮します。
国税や財務、裁判所の模試を受け、その記述試験の解答を軽くさらっておきましょう。
各試験種の模試における記述試験の問題は、その試験の予想問題だと思っていいです。
意外と模試の問題を作る時って、しっかり過去の傾向を見たうえで、今年出題されてもおかしくない問題が選ばれているんです。
なので、それを活用しない手はありません。自分は手間も時間もかけずに、予想問題を入手できるのですから。
お金はかかりますが、そこに投資しないのはもったいないです。
それだけじゃなく、模試の問題を知っておくことには大きなメリットがあります。
・・・というより「模試の問題を知らないことによるデメリット」といったほうがいいかもしれません。
その中で、もしあなたはその問題を知らなかったら・・・?
記述の勉強もしていないので、合格はかなり厳しくなるでしょう。
模試の問題を学習しておくことは、当たった時のリターンが大きいだけでなく、こういったリスクを避けるためでもあるのです。
なので、科目が複数ある場合は、出来れば全科目やっておきましょうね。
どの科目が当たるかわかりませんから。(あなたが択一で勉強してない科目はやらなくていいです)
専門記述について最低限の対策をしたい場合
「第一志望は他の公務員試験だけど、ちょっとだけ対策しておきたい」という場合もありますよね。
この場合の対策としては「参考書に載ってる頻出論点をサラッと見ておく」くらいがベストです。
非常にシンプルですが、これ以上やるとオーバーワークになります。
その場合、対策するのは「憲法」か「経済学」か「会計学」がおすすめです。
ここでは効率最重視なので、使う参考書が重要になります。
それぞれおすすめの参考書があるので、紹介しておきますね。
- 公務員試験 専門記述 論文答案集 憲法
憲法の専門記述の参考書の中でも最新で、傾向に沿った頻出論点が掲載されています。
独学の初学者にもわかりやすく、憲法はこれ一択というレベルのクオリティです。
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- らくらくミクロ経済学入門(記述・論文編)
こちらは比較的古めですが、非常にわかりやすくなっていて、択一メインでしか対策してなかった方にピッタリです。
経済学に関しては、他にあまり良い参考書はないので経済学も実質一択ですね。
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- 公務員試験 新スーパー過去問ゼミ会計学
会計学は論点数が元々少ない科目で「択一で会計学をやってる方」限定ですが、選択すべき科目です。
記述専用の参考書はないですが、スー過去の巻末に専門記述の項目が合って、出来が良いのでそれを利用するのがベスト。
公務員試験の専門記述を択一対策で乗り切る方法まとめ
- 公務員試験の専門記述でわからない問題が出たら、知っていることをひたすら書こう!
- 択一の対策でも専門記述を意識するようにしよう!
- 模試などの予想問題は絶対に入手しておこう!
今回は、「専門記述の勉強はする余裕がないけど、合格はしたい」という方向けの記事を書きました。
併願先にあまり時間をかけるわけにはいかないので、何をどれくらいやったらいいかというのが難しいと思います。
個人的には、この記事に書いたように本当に最低限の対策をして、あとは第一志望の勉強に集中するのがおすすめです。
やるべきことは多くありません。
ただ、やることを最低限やったら、あとは運に任せる部分もあります。
とはいえ、この記事に書かれた対策を実践して、あとは択一の勉強・面接対策をしっかりすれば、合格可能性は意外と高くなると思いますよ。
なので、この記事を読んで終わりではなく、是非実践してみてくださいね。
この記事が、併願先・勉強時間がない記述試験の対策で悩む皆様の役に立てれば幸いです。
もし「少し専門記述の対策をしようかな」と思ってる方は、以下の参考書・問題集が特におすすめなので、是非試してみてください。
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