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公務員試験の中でも国家一般職の専門試験で選択できる「英語基礎・英語一般」については、予備校でも質問をもらいます。
英語基礎・英語一般は参考書や情報も少なく困る方もいると思うので、ここで徹底解説します。
- 文章理解(英語・現代文)の現役予備校講師
- 国家一般職などに上位5%以内で合格
- 当時、英語基礎・英語一般を選択科目で用意していた
この3つから、国家一般職の専門試験の英語基礎・英語一般対策については誰よりも詳しく解説できるかと思います。
良かったら最後までお付き合いください。
目次
【国家一般職】専門の英語基礎・英語一般はどんな科目?
まず、英語基礎・英語一般は公務員試験の中でも、国家一般職の専門試験でのみ出題されます。
文章理解対策については、以下の記事で勉強法などをまとめています。
専門の英語基礎・英語一般対策について結論だけ言っておくと、英語が苦手でなければ、国家一般職受験者にはぜひ選択してほしいレベルの科目です。
まずは具体的に英語基礎・英語一般ではどんな問題が出題されるのかを、簡単に見ていきましょう。
【国家一般職】英語基礎の難易度・レベル
英語基礎の出題数は以下の通りです。
- 内容把握 3問
- 文法問題 1問
- 空欄補充 1問
内容把握と空欄補充に関しては、教養試験でも同じような問題が出ていますね。
難易度はこちらのほうが高いですが、形式はほぼ同じと思って構いません。
文法問題に関しては、教養の英語でも英語一般でも出題はされないので、公務員試験では英語基礎のみで出題される分野になります。
英文法は公務員試験では基本的に必要とされない知識なので、文法問題の正答率は例年低くなっています。
専門試験を勉強してない記念受験勢も選択してると思いますが、思ったより選択率は高いですよね。
【国家一般職】英語一般の難易度・レベル
英語一般は、公務員試験の英語の中では最も難しい科目になりますね。
英語一般の出題数は以下の通りです。
- 内容把握 5問
はい。長文問題だけです。
単純明快な出題形式ですが、求められる語彙力も高くなっていますし、長文の分量は多く、読むだけでもかなりの時間がかかります。
そのため、英語基礎と比べても難易度はかなり上がっており、専門の中でも選択する受験生は少なくなっています。
難易度は高いですが、出題形式が内容把握のみで対策もしやすく、「長文読解ならだれにも負けない!」という方にとってはチャンスといえるでしょう。
国家一般職の専門科目中、トップクラスの○○
英語基礎は教養試験より難しく、英語一般はさらに難易度が高いということを書きました。
これを聞いた方は「じゃあ正答率も低くなってるんだろうな・・・」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろ、英語基礎・一般ともに、国家一般職の全選択科目の中で正答率は高い方です。
それも、専門科目は難易度の波が激しいと言われる国家一般職の中で、毎年安定して高い正答率を誇っているのです。
1年だけで見るのではなく、例えばここ10年の正答率を平均すると、間違いなく英語基礎・英語一般はトップクラスの正答率になります。
具体的には、基本的にどちらも約50%~60%の正答率を維持しています。
やはり一般的に、「英語基礎・一般は英語が得意な人ばかり選択するから、英語が得意でない人は選択できない」というイメージがありますよね。
確かに「英語が得意な人が選択している」というのは、間違ってはいないでしょう。
他に選べる科目があるのに選択するということは、ある程度英語に自信がある人も多いと思います。
ただ、英語基礎・一般は専門科目の中で唯一「その科目専用の対策をしなくても得点できる可能性がある科目」です。
そのため、得意でなくても「一応解いてみる」方が多いんです。本番では時間がかなり余るので。
特に英語基礎は、「本番で選択する予定だった科目が難しかったので、英語を仕方なく選んだ」という方も少なくないでしょう。
そういった方も含まれる中でこの正答率ですよ。
6割とれれば合格できる公務員試験において、正答率がここまで高く、それも安定して得点が期待できる専門科目は中々ありませんよね。
以上のことから、「英語がそこそこできる方」は、せめて英語基礎だけでも選択を検討していただきたいです。
「英語がそこそこできる方」の基準は、次に説明していきます。
【国家一般職】英語基礎・英語一般の難易度・レベルをTOEICと比較
ここまで読んで、「専門で英語基礎・英語一般を選択するのも意外とアリかも」と思った方もいると思います。
ただ、英語の学力は一朝一夕で伸びるものではないので、人によっては英語を選択するのは厳しい場合もあるかと思います。
ここでは、国家一般職で英語基礎・英語一般を選択できる目安を、公務員試験以外の一般的な試験を使って説明していきます。
英語基礎の難易度・レベル【TOEIC620】
個人的には、以下が専門試験で英語基礎を選択できるラインです。
- TOEIC:620点
- TOEFL:60点
- 英検:2級
- センター試験:150点
- 公務員試験の教養英語:7割5分
このラインに達してる方は、英語基礎の選択を視野に入れ、次の「英語一般を選択できる目安」に達してるかどうかもチェックしてみてください。
ちなみにこのラインに達しなかった方も、選択できる可能性がなくなったわけではありません。
上記のラインは概ね正しいですが、比べる試験の問題形式が異なるので、目安でしかありません。
このラインに達していない方でも、英語がどうしても苦手な方以外はチャンスがあると思います。
なにより大事なのは実際に過去問を解いてみることです。
それで得点が取れそうであれば、このラインに達していない方でも十分選択の余地はありますので、試してみてください。
英語一般の難易度・レベル【TOEIC780】
個人的には、以下が専門で英語基一般を選択できるラインです。
- TOEIC:780点
- TOEFL:80点
- 英検:準1級
- センター試験:180点
- 公務員試験の教養英語:9割
ラインがかなりハードになった印象ですね。
私はTOEIC820点で、英語一般の過去問を解いて平均5問中4問程度の得点だったので、概ね正しい目安にはなってるかと思います。
ただ、やはりこの難易度・ラインも目安にしかなりません。
なのでくどいようですが、このラインに達していなくても、過去問を解いてみてください。
本番の公務員試験で他の科目が難しく、思いがけない形で選択することになることもあるので、一度過去問をやっておいて損はありませんよ。
【国家一般職】英語基礎・英語一般のおすすめ参考書・勉強法
最後に、公務員試験の英語基礎・英語一般対策の参考書と勉強法を紹介します。
参考書も問題集も少ないんですが、優れたものはあるので、自分が使って本当に良いと思ったものを紹介します。
やはり問題集・参考書選び、そして勉強法は特に重要なところなので、是非参考にしてくださいね。
英語基礎・英語一般の問題集
まず、共通で使っていただきたい過去問集は、「国家一般職〔大卒〕専門試験 過去問500」もしくは「公務員試験 速攻の英語」です。
英語基礎・英語一般の過去問は、この2つくらいにしか掲載されていません。
「速攻の英語」のほうが解説は丁寧ですが、教養英語や商業英語なども収録されているため、英語基礎・英語一般の演習量が少し足りないと思います。
他の専門試験の過去問も収録されてるので、買っておいて損はありません。
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「過去問500をやったうえでもう少し演習量を増やしたい」とか「専門だけでなく教養英語も同時に対策したい」という方は、「公務員試験 速攻の英語」を使うと良いと思います。
解説が丁寧と言うこともあり、特に2冊目としてはこちらも十分おすすめできます。
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英語基礎対策の勉強法・参考書
英語基礎の勉強法は、簡単に表すと以下の通りです。
①まずは過去問を解いてみる。
②速読英単語(必修編)を2.3周する。
③時間に余裕があれば、文法を少し勉強する。
基本的にはこれだけです。簡単ですね。
これだけで良いというよりは、「これくらいしかできることがない」んですけどね。(笑)
勉強法は上記の通りなんですが、一応詳しく勉強の過程を説明していきます。
- まず①から
この段階は過去問を解くことで得点を伸ばすというより、「自分に選択できる難易度かどうかを判断し、出題形式に慣れる」のがメインですね。
英語って過去問と同じ問題が出るわけでじゃないので、過去問を解きまくっても得点に直結するわけではありません。
なので、何年分もやらなくても、2年分くらいやれば十分かもしれません。
- 次に②は、長文への勘を養いつつ、単語力を強化するステップです。
正直ここは、教養試験の英語に関する記事で紹介した勉強法と全く同じです。
割と難しいとされる英語基礎も、実は速読英単語の必修編で十分なんです。
もちろん、わからない単語はいくつか出てくるかと思います。
しかし、長文読解に慣れれば単語の意味を周りの文脈から推定する能力がついてきます。
長文読解力をメインで鍛えながら最低限の単語力も身につく速読英単語は、公務員の専門英語対策にピッタリなんです。
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必修編といえど、2.3周するのは割と時間がかかると思いますので、毎日学習する分量を決めて、コツコツやっていくようにしましょう。
- 最後に③は、1問出る文法問題対策です。
文法は、全てを仕上げようとしたら膨大な量があります。
高校生の頃に分厚い文法書を持っていましたよね。
さすがに専門の1問のためにあれをやるのは流石にばからしいです。
なので、最悪勉強はしなくても良いです。
そもそも、文法問題は専門の中でも毎年正答率が低くなっています。
なので、文法問題は無理に得点する必要はありません。
そのため、文法問題を勉強して臨みたいという方は、以下の参考書で、最低限かつ最頻出の分野だけ学んでおきましょう。
おススメは、「1駅1題 TOEIC TEST 文法特急」という参考書です。
名前で分かる通り、公務員試験ではなくTOEICの参考書です。
なので多少出題形式が異なる場合はありますが、結局は公務員でも文法問題で引っかけてくるポイントや頻出箇所は変わりません。
なにより、最頻出の文法を網羅しながらも、最低限の分量に抑えているこの参考書は、時間をかけずに頻出の文法を学ぶべき英語基礎の勉強にピッタリなんです。
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長文読解に比べれば優先度は下がるので、まずはそちらを学習してほしいですが、時間はそれほどかからないので、余裕があれば文法も是非やってほしいです。
英語一般対策の勉強法・参考書
英語一般対策の勉強法は以下の通りです。
↓
②速読英単語(上級編)を2.3周する。
「文法がなくなっただけで、それ以外英語基礎と同じ」って思いましたか?
その通りです。
文法問題は出ないので、もちろん文法問題をやる必要はありませんが、それ以外の対策はほぼ一緒です。
なので勉強法の詳しい説明は、英語基礎のほうを参照してください。
唯一違う点は、速読英単語が必修編から上級編になった点くらいですね。
英語基礎では「周りの文脈から単語の意味を推測できるから、必修編で十分」と書きましたが、英語一般では「単語のレベルが高いので、周りの文脈すらわからない」という状況が発生します。
そのため、上級編までやっておくと安心です。
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もちろん、一度過去問を解いてみて、十分得点できそうであれば、上級編をやる必要もありません。
そういった方は、長文の勘を鈍らせないために、定期的に英語の長文を読むくらいで大丈夫です。
【国家一般職】専門の英語基礎・英語一般まとめ
- 公務員試験の専門試験の英語(英語基礎・英語一般)は正答率が安定して高いので、人によっては穴場科目!
- レベルや難易度は目安。まずは国家一般職の過去問を実際に解いてみて、それから判断しよう!
- 英語基礎は「速読英単語 必修編」で、英語一般は「速読英単語 上級編」で対策しよう!
私は英語基礎・一般を2つとも選択できる状態で国家一般職の試験に臨みました。
結果的にはもっと得点できる自信がある科目があったので選択しなかったのですが、選択できる科目が2つ増えた安心感には助けられました。
当時私は、国家一般職の専門で合計12科目を選択科目として準備できました。
「英語基礎・一般を確実に得点できる武器にしろ」というのは暴論ですが、「他の専門科目が難しかった時の保険として持っておく」くらいが効率の良い考え方だと思います。
国家一般職の専門試験は時間がかなり余るので、「とりあえず解いてみる」ということができるのが、専門英語の強みだと思っています。
実際、「過去問なんてやってことなかったけど、国家一般職の専門試験で得点できそうな科目がなくて、英語基礎を解いた」なんて話はよく聞きます。
その時のために、今まで専門英語を選択する予定がなかった人にも、一度過去問を解くくらいの対策はやっておいてほしいです。
英語基礎・英語一般の出題傾向や難易度だけでも知っておくのと、何も知らないで臨むのとでは訳が違いますからね・
以下の参考書・問題集は公務員試験の英語基礎・英語一般対策に特におすすめで、私も実際に使用していたので、是非試してみてください。
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