地方上級関東型の試験科目・難易度・ボーダーを解説!【元公務員の勉強法を紹介】

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受験生A
地方上級関東型の試験科目や難易度・ボーダーが知りたいです!
受験生B
関東型の選択科目はどれを選んで、どれを捨てればいいのかな。
受験生C
関東型の試験を受けるけど、試験までに筆記の勉強が間に合う気がしない・・・


コムオ
こういった皆様のお悩みに、元公務員の現役予備校講師のコムオがお答えします。

私が合格できた要因は、地方上級独自の対策、更には関東型に絞った独自の対策ができたからだと思っています。

この記事では、地方上級関東型対策の勉強法や参考書など、必要な知識を全てお教えします。

この記事では、筆記試験対策に絞って紹介します。

面接対策は筆記試験が終わってからでもOKですが、筆記試験前に行っておく面接対策としては、以下の方法で自身の強みを把握しておくことがおすすめです。

「地上関東型」はどこの自治体を指している?

疑問を持つ女性

地方上級は「関東型」の他にも「全国型」や「中部北陸型」があります。

そうなると、どこの市役所や県庁が「関東型」にあたるのかわからないですよね。

そこで、まずは県庁と市役所で関東型に当たる自治体をピックアップしていきますね。

 記事を書いている時点での情報になります。必ずご自身でも調べるようにしてください。

県庁

関東型の県庁は以下の自治体です。

かっこ書きがされていないものは、「教養・専門ともに関東型」です。

  • 茨城県庁
  • 栃木県庁
  • 群馬県庁
  • 埼玉県庁
  • 千葉県庁
  • 神奈川県庁(専門は独自型)
  • 山梨県庁
  • 長野県庁
  • 新潟県庁
  • 静岡県庁


関東型の試験が行われるのは、以上10の県庁です。

コムオ
後半の県は関東と呼んでいいのでしょうか・・・(笑)

 

市役所

市役所で関東型の出題がされる自治体はありません。

 

地方上級関東型の試験科目と配点

チェックリスト

次に、関東型の試験科目と配点についてです。

まず配点に関して、筆記と面接の配点は受験先によって異なります。

 そして筆記の中での配点は、教養:専門=1:1です。


国家一般や国税、財務のように専門に傾斜がかかるということはありません。

では出題科目と、関東型での科目ごとの難易度を見ていきます。

 

教養試験の出題科目と科目別難易度

教養は選択回答ですが、赤字の部分は必須回答になっています。

科目 出題数 重要度 難易度 内訳
文章理解 普通 現代文:3
英語:5
古文:1
数的処理 12 普通 数的:6
判断:5
資料:1
人文科学 普通 日本史:3
世界史:3
地理:2
文学・芸術:1
社会科学 13 やや難 政治:1
法律:3
経済:3
社会:6
自然科学 やや易 化学:2
物理:1
生物:2
地学:1
数学:1
合計 40/50問を選択回答 普通

 

専門試験の出題科目と科目別難易度

科目 出題数 重要度 難易度
憲法 やや易
民法 やや難
行政法 普通
経済原論 12
経済政策 やや難
経済史 普通
財政学 やや難
政治学 普通
行政学 やや易
経営学 やや易
国際関係
社会政策 やや易
刑法 × やや易
労働法
合計 40/50問を選択回答 普通

 

地方上級関東型のボーダー・難易度

電卓とグラフ

出題科目は以上の通りです。

では、次にボーダー難易度を解説していきますね。

関東型のボーダー

自治体ごとにも異なりますが、平均すると関東型のボーダーは6割前後です。


もちろんどの自治体を受けるのかによって変わってきますが、ほとんどの自治体は、6割とっていれば合格できるラインでしょう。

 

ちなみに以下の理由から、全国型や中部・北陸型と比べて平均ボーダーはやや高くなっています。

  • 教養・専門ともに選択回答なので得点しやすい
  • 首都圏の県庁が多いので、受験生のレベルが高め

 

とはいえ、自治体ごとにボーダーが異なることには違いないので、自分の受験先の情報をしっかり確認しておいてくださいね。

 

    難易度:地方上級の中では高め

    次に難易度に関して、地方上級の中では高めです。

    自治体にもよりますが、倍率は低くとも、レベルの高い受験生が多いためです。

    国家総合職や都庁が第一志望の方が併願しやすい試験ですからね。

    地方上級関東型受験者が最優先でやっておくべき対策【特に直前期】

    地方上級関東型は、経済学をはじめ、一部の科目で少し独特の癖があります。

    そのため、地方上級の過去問は必ずやっておくべきです。

    特に直前期の方は、一部の科目だけでもいいので必ずやっておきましょう。
     関東型のみの過去問に限定した問題集はありませんが、地方上級は出題数が少し違いますが、問題自体の傾向はそれぞれかなり似通っているので、地方上級の問題集をやればOKです。

    特におすすめなのは、やはりとても多くの受験生が使っている地方上級 過去問500です。

    最新で出た問題の中で重要な問題が掲載されており、解説もコンパクトにまとまっているため、おすすめの問題集です。

    直前期は「過去問500」、時間のある方は「スーパー過去問ゼミ」

    直前期には間違いなく「過去問500」で地方上級の過去問のみに絞った問題をやっておくべきです。

    コムオ
    ただ、直前期でない方は、もっとボリュームのある総合型の問題集から入って、直前期には「過去問500」をやるのが最もおすすめです。


    そこで、時間がある程度ある方には、全科目に共通して「スーパー過去問ゼミ」がおすすめです。

    最も多くの受験生が使っている問題集であり、問題の質・解説のわかりやすさ・網羅性全てにおいて文句なしの出来です。

    よって、
    • 時間がある方→スーパー過去問ゼミ→過去問500
    • 時間がない方→過去問500

    という流れがおすすめです。


    地方上級関東型の勉強法・参考書【教養】

    計画を立てて悩む人

    では、試験の概要を把握してもらったところで、地方上級関東型の学習戦略を解説していきます。

    教養の科目ごとに、効率的な勉強法を以下で紹介していますので、得点を伸ばしたい科目だけでも読んでみてくださいね。


    では、各科目の勉強法は上記で詳しく解説しているので、ここでは科目ごとの勉強法というより、地方上級関東型の勉強をするにあたって気を付けるべきことに特化して紹介していきます。

    数的処理は基礎をしっかりやっておけばOK!

    「数的処理はどこの試験を受けるにしても最優先でやるべき」という意見を多く見ますが、それは思考停止だと思います。

     そもそも地方上級では国家一般などと比べて数的の重要性は下がりますし、そんな地方上級の中でも関東型では数的処理の出題数が圧倒的に少なくなってます。

    全国型・中部北陸型が16問なのに対し、関東型の数的処理の出題数は12問ですからね。

    公務員試験の中でもトップクラスに数的処理を重視しない試験と言えます。

     

    ただ、もちろん最低限の得点はとっておきましょう。

    12問中7.8問はとっておきたいですね。


    そこで、数的推理はパターン暗記で確実に基礎を身に着けていきましょう。

    パターン暗記は判断推理にも活用できますから、この2科目は基礎だけで良いのでしっかりやっておきましょう。

    そして、資料解釈と空間把握も出題はされますが、出題数は少なくなっています。

    以下の記事では、とにかく時間をかけずにこの2科目を攻略する勉強法・参考書を紹介しています。


    関東型を受ける受験生にはぴったりの勉強法なので、是非読んでみてください。

    参考書については、間違いなく

     

    関東型の人文科学・社会科学はトップクラスの出題数!

    数的処理の出題数が少ない反動を受けているのが人文科学・社会科学です。

    地方上級の人文科学に関しては、公務員試験の中でもトップクラスの出題数になっていますが、特に関東型ではとんでもなく出題が多くなっています。


    関東型ではこの2科目が22問を占めていますからね。

    50問中22問って、冷静に考えて多すぎますね。


    もちろん、どちらも力を入れて対策する必要があります。

    人文科学

    人文科学について、ここまで出題数が多いと重要になってくるのはまず捨て科目を作るかですね。

    人文科学は捨て科目を作る人が多いですが、出題数がここまで多い地方上級関東型ではどうでしょう。


    結論から言うと、関東型でも日本史・世界史・地理の中から1科目は捨てて構いません。

    というより、人文科学は1科目捨てる方が、他の科目に時間を回す余裕ができて、全体の得点は結果的に伸びることが多いです。

    関東型の教養は、地方上級で唯一問題選択なので、多少捨てても何も問題ないですしね。

    では、具体的にどの科目を捨てればいいか。

    • 関東型では地理一択でしょう。

    理由はシンプルで、出題数が1問少ないためです。

    1問の差は非常に大きいですからね。

    コムオ
    地理を大学受験で選択していた場合などは、日本史or世界史の苦手な方を捨ててもOKですよ。

     

    社会科学

    社会科学に関して注意すべきことは1つです。

     社会科学を専門の勉強で代用するのはやめましょう。

    全国型や中部北陸型の受験生には「時間の余裕がなければ最悪専門で代用しても良い」と伝えてますが、関東型の場合はやっておきましょう。


    13問も出題されますからね。

    憲法やミクロ・マクロの勉強だけでもある程度得点できるんですが、やはり社会科学独自の勉強をした人とは得点の安定感が違ってきます。

    勉強法については以下の記事で。正文化を使えばそれほど時間はかかりませんよ。

     

    自然科学は積極的に捨てよう

    最後に、関東型では自然科学の出題は比較的少なくなっています。

     なので、最低1科目は捨てましょう。苦手な人は2科目捨てても構いません。

    どの科目を捨てるかについては、関東型では物理がおすすめです。

    もちろん、こちらも得意科目や併願先によって異なりますので、捨て科目を選ぶ際には以下の記事を参考にしてください。苦手な人でも得点を伸ばせる勉強法も詳しく解説してます。



    地方上級の数学
    地方上級では数学が出題されますが、大学受験で勉強していた人は頻出分野の2次関数だけでも復習しておくといいでしょう。


    それ以外の方はもちろん捨てでOKです。

    数学が出題される試験種はかなり少ないですからね。


    ここまでで捨て科目をどんどん作っているのを見て、「本当にこんなに捨てて大丈夫?」と思うかもしれませんね。

    もちろん大丈夫です。

    というか関東型は選択式なので、むしろこれくらいは捨てた方が良いです。

    捨て科目を作るべき理由やメリットについては以下の記事を読んでみてください。捨て科目を選ぶ基準についても詳しく解説しています。



    地方上級関東型の勉強法・参考書【専門】

    タンポポと本

    専門に関しても、科目ごとの効率的な勉強法を以下で紹介していますので、ぜひ読んでみてください。


    こちらも科目ごとの勉強法は上記を見て頂いて、ここでは地方上級の学習戦略という側面から解説していきますよ。

    刑法と労働法は勉強すべきか

    これについては以下の記事を参考にしてください。必要なことは全て書いてあります。


    読むのが面倒な方のために要約すると、

    • 労働法は簡単なので時間があればやる
    • 刑法はコスパが悪いので原則捨てる


    こんな感じです。

    コムオ
    まあどちらも難しい問題は出ないので、やれば得点はできる科目ですよ。

     

    ただ、刑法は分量が多いので、捨てとしました。

    基本的にはコストパフォーマンスが悪い科目ですが、裁判所事務官を受ける方はやってもいいと思います。

    社会政策は短期間で確実に得点できる!

    地方上級では社会政策という科目が出題されます。

    国家系の試験や特別区・都庁では見慣れない科目ですよね。



    詳しくは以下の記事で、「地方上級の社会政策」に特化して説明していますので、是非ご覧ください。


    社会政策は、市役所B日程・C日程くらいにしか併用はできないのですが、是非勉強してほしい科目です。

    ミクロ・マクロ経済学について

    地方上級のミクロ・マクロは非常に難易度が高く、公務員試験の中でもトップクラスに難しい問題が出題されます。

    そこで、以下の記事で「地方上級のミクロマクロ」に特化した対策を解説していますのでご覧ください。

     

    地方上級

    地方上級関東型の対策まとめ

    • 教養は数的はそこそこに、人文・社会科学に力を入れよう!

    • 刑法は原則捨て、労働法は時間があれば勉強しよう!

    • 社会政策はコスパ最高の科目なので勉強しよう!

    • 筆記前に面接対策に時間をかける必要はないが、自己分析だけでもやっておけるとベスト!



    今回は地方上級の対策に必要なことを全て書きました。

    地方上級の総合的な対策が書かれているサイトは多いですが、関東型のみに焦点を当てて対策を解説しているところは少ないですよね。

     冒頭にも言いましたが、受験生時代の自分も、関東型独自の対策ができたことが合格の要因だと思っています。

    地方上級関東型は自治体によって倍率が異なる部分もありますが、基本的には簡単な試験ではありません。

    レベルの高い受験生が多いですからね。



    他の試験では出題されないマイナー科目の出題も複数あり、勉強方針の立て方もかなり重要になってくる試験ですね。

    筆記に関しては、この記事を参考に効率最重視の勉強を心がけ、合格をつかみ取りましょう!

     

    この記事が、地方上級関東型の試験対策で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。

     

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