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市役所B日程・C日程・D日程の自治体の試験は2018年度から新教養試験に変わりました。
この記事では、元公務員で現役講師の私が、ボーダーや合格ライン、合格に必要な対策を「全て」書きます。
この記事を読んで実践すれば、間違いなく合格に一歩近づくと思うので、是非最後までお付き合いくださいね。
ちなみに、新教養試験が実施されるのは、B日程・C日程・D日程の市役所のみとなります。
A日程市役所は、地方上級の全国型と同じ問題が出るので、A日程を受験する方は以下の記事を読んでくださいね。
新教養試験の出題科目・特徴【Light,Logical,Standard】
まずは、新教養試験の出題科目から見ていきましょう。
新教養試験は、以下の5つの試験に分かれています。
- StandardⅠ
- StandardⅡ
- LogicalⅠ
- LogicalⅡ
- Light
Standard・LogicalのⅠとⅡの違いは、難易度です。
StandardもLogicalもⅠの方が難しくなってはいますが、出題傾向自体にはほとんど差はありません。
では、それぞれの出題内容を紹介していきます。
なお、全タイプ共通で「古文、文学・芸術」の出題はありません。
Standard-Ⅰ・Ⅱ〈標準タイプ〉
Standardタイプの特徴は以下の通りです。
- 従来の教養試験に近い出題傾向
- 知能分野20問・知識分野20問の計40問
- 五肢択一で、制限時間は120分
- 時事の出題数が増え、ICT、環境問題、社会保障などが出題されるようになる
- 日本史・世界史・地理の出題数は1題ずつ=人文科学の出題は少ない
以上がStandardタイプの特徴になります。
ちなみに公務員試験において、「知能分野・知識分野」とは以下の科目を指します。
- 知能分野:数的処理・文章理解
- 知識分野:人文科学、社会科学、自然科学、時事
対策は後述しますが、基本的には従来の公務員試験に近いですね。
Logical-Ⅰ・Ⅱ〈知能重視タイプ〉
Logicalタイプの特徴は以下の通りです。
- 知能分野27問・知識分野13問の計40問
- 五肢択一で、制限時間は120分
- 自然科学の出題がない
- 時事の出題数が増え、ICT、環境問題、社会保障などが出題されるようになる
- 約8割の問題は、Standardと同じ問題が出題
Standardよりも知能分野を重視し、知識分野の出題を減らしたのがLogicalタイプですね。
知識分野の出題を減らしたとはいえ、従来の教養試験よりは時事を重視するようです。

自然科学が出題されない分、勉強すべき科目は少なくなっています。
こちらも詳しい対策は後述します。
Light〈基礎力タイプ〉
Lightタイプの特徴は以下の通りです。
- 社会への関心と理解:24問、言語的な能力:18題、論理的思考力:18題
- 合計60問の四肢択一で、制限時間120分
- 難易度はStandardⅡやLogicalⅡより更に易しく、公務員試験対策をしてない民間志望者も受けやすい
- 地方自治に関する問題や、漢字の読み書きの出題がある
- 人文科学・自然科学の出題はない
難易度はかなり低めで、傾向的にはSPIの易しいバージョンと思ってくれればOKです。
公務員試験のSPIについて、気になる方は以下の記事を読んでみてください。
ちなみに、StandardとLogicalは共通の問題が多かったですが、Lightは全て独自の問題です。
【市役所】新教養試験のボーダー・合格ラインは?
では、次に「Standard・Logical・Light」それぞれの公務員試験のボーダーや合格ラインを紹介していきたいと思います。
自信の受験先のボーダー・合格ラインをしっかり確認したうえで、効率的に対策していきましょう。
Standardタイプの難易度・ボーダー・合格ライン
問題自体の難易度は以下の通りです。
- Standard-Ⅰ:普通(≒都庁の教養試験)
- Standard-Ⅱ:易しい(≒SPI)
「Standard-Ⅰが従来の教養1と同じ、Standard-Ⅱが教養2.3と同じ難易度」と公表されているので、概ね間違いないでしょう。
そしてこの難易度を踏まえて考えると、大体のボーダーが予想できます。
- Standard-Ⅰ:5割~5.5割
- Standard-Ⅱ(大卒程度):5.5割~6割
- Standard-Ⅱ(高卒程度):5割~5.5割
あくまで予想ですが、Standardタイプの自治体を受ける方は、この合格ラインを意識して勉強するようにしましょう。
Logicalタイプの難易度・ボーダー・合格ライン
Logicalに関して、問題自体の難易度は以下の通りです。
- Logical-Ⅰ:やや易しい(≒特別区の教養試験)
- Logical-Ⅱ:易しい(≒SPI)
「Logical-Ⅰが教養1よりやや易しく、Standard-Ⅱが教養2.3と同じ難易度」ということなので、概ね間違いないでしょう。
そしてこの難易度を踏まえて考えると、大体のボーダーが予想できます。
- Logical-Ⅰ:約5.5割
- Logical(大卒程度):5.5割~6割
- Logical(高卒程度):5割~5.5割
Logicalタイプの自治体を受ける方は、この合格ラインを意識して勉強するようにしましょう。
Lightタイプの難易度・ボーダー・合格ライン(例題あり)
Lightタイプは、他の2つとは異なる、全く新しいタイプの試験なので、難易度やボーダーの予想が難しくなっています。
そこで、Lightタイプのみ、試験を作成している団体が例題を公表しています。
この例題から、問題自体の難易度は明らかですね。
- Lightの難易度:非常に易しい
公務員試験ではトップクラスの易しさとなっています。
そしてこの難易度を踏まえ、大体のボーダーを予想します。
- Lightのボーダー:約6.5割
問題自体が易しい分、当然ボーダーは高めになります。
Lightタイプの自治体を受ける方は、この合格ラインを意識して勉強するようにしましょう。
新教養試験対策の問題集・勉強法
それでは、最後に新教養試験おすすめの参考書と勉強法を紹介します。
【Standard・Logical・Light】どの自治体を受けるかで対策や使用すべき問題集は異なり、対策を間違えると得点が伸び悩んでしまいます。
おすすめの対策を解説していくので、是非実践してみてくださいね!
Standardタイプの問題集と対策
Standardタイプは、以前の教養試験に近い試験になります。
なので、注意すべき点はありますが、概ね教養試験と同じ勉強法を実践すればOKです。
以下の記事で、教養試験の効率的な勉強法を解説しているので、気になる科目だけでも参考にしてください。
基本的には以上の勉強方法でOKです。
ただ、Standardタイプの勉強では以下の点に注意してください。
- 時事・社会科学の勉強により力を入れる
- 出題数の少ない人文科学は、最低限の勉強で攻略
- 古文や文学・芸術は出題されないので、勉強しない
似ているとはいえ、教養試験と全く同じ勉強では効率が下がってしまうので、以上のことには注意するようにしてください。
また、上記の教養試験の記事からも分かる通り、問題集はほとんどの科目で「スー過去」をおすすめしてます。
Standardを受けるのであれば、プラスαの問題集として「市役所上・中級試験過去問500」をおすすめします。
スー過去の後に過去問500をやることで、市役所試験に特化した勉強ができ、得点がかなり安定するようになるので、是非試してみてください。
ということで、Standardは「スー過去メインで学習→過去問500」の流れがおすすめです!
Logicalタイプの問題集と対策
Logicalタイプに関しては、8割がStandardと同じ出題ということで、基本的にはStandardと同じ対策でOKです。
まず、上記でも紹介した教養試験対策の記事を参考に、スー過去メインで勉強しましょう。
この時に気を付けるべき点は以下の通りです。
- 時事・数的処理の勉強にとにかく力を入れる
- 社会科学・人文科学は最低限の勉強で攻略
- 古文や文学・芸術に加えて自然科学も、出題されないので勉強しない
次にStandardであれば「過去問500」をやるところですが、Logicalでは「過去問500」は不要です。
「過去問500」も十分Logical対策になりますが、もっと優れた問題集があるんですよね。
なぜなら、「市役所新教養試験 Light&Logical 早わかり問題集」という新教養試験に特化した唯一の問題集が出版されたからです。
この問題集を出版している「実務教育出版」は、公務員試験で最も有名な過去問集「スーパー過去問ゼミ」などの出版社なので、間違いなく信用できます。
ということで、Logicalは「スー過去メインで学習→早わかり問題集」の流れが絶対におすすめです。
Lightタイプの問題集と対策
Lightタイプに関しても、「市役所新教養試験 Light&Logical 早わかり問題集」がおすすめです。
というより、Lightの参考書・過去問集は2020年時点ではこれ以外にありません(笑)
ただ、「早わかり問題集」はLogicalだけでなくLight対策の部分も非常に優秀なので、これをやっておけば十分だと思います。
それでも時間が余っている方は、SPI用の問題集をやっておくと良いでしょう。
SPIは、Lightより問題の難易度は少しだけ上がるので、2冊目としてちょうど良い上、出題傾向はかなり似ていますからね。
以下の記事で私がおすすめしている「民間併願」にもSPIは必須ですしね。
少し話がそれましたが、「早わかり問題集→SPI参考書」の流れでやっておけばLight対策は万全でしょう。
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新教養試験対策の問題集・合格ライン・ボーダーまとめ
- Standardの対策は「スー過去→過去問500」
- Logicalの対策は「スー過去→早わかり問題集」
- Lightの対策は「早わかり問題集→SPI参考書」
- 新教養試験は【Standard・Logical・Light】それぞれの合格ライン・ボーダーを踏まえたうえで対策をしよう!
まだ始まって数年の新教養試験ですが、逆に「それをアドバンテージにすることができる」というのを最後に皆さんに伝えたいです。
この記事には、新教養試験について、合格するために必要な知識・効率的な勉強法が「全て」詰まってます。
つまり、あなたはこの記事の内容をしっかり実践すれば「合格までの最短距離」を行くことができます。
新教養試験は情報が少ない分、遠回りする人が多い中で、これは大きなアドバンテージになります。
なので、この状況をチャンスだと思ってください。
この記事の内容を実践し、合格までの最短距離を走り、周りに差をつけていきましょう!
この記事が、新教養試験対策で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
以下の参考書・問題集は新教養試験対策に特におすすめなので、是非試してみてください。
このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。
公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。