裁判の槌と本

公務員ラボへようこそ。



受験生A
民法のわかりやすい参考書と頻出分野を知りたいです!
受験生B
民法ってどうしても苦手なので捨てようか迷っているんですけど、必要ですか?
受験生C
民法は範囲も広いから、過去問集を1周する頃には忘れてしまいます・・・

コムオ
こういった皆様のお悩みに、現役公務員のコムオがお答えします。

民法を捨てるのはアリ?

ペットボトルをごみ箱に捨てている

民法は、科目としては難しいですが、出題される問題の難易度は皆さんが思っているほど高くなく、正しい勉強法で一度理解してしまえば、安定して得点できる武器になります。


ただやはり最初のうちは、範囲が広いうえに専門用語が多く、とっつきにくい印象があると思います。



私がチューターをやっていた頃も、「民法がメイン科目なのはわかるんですが、どうしても苦手なので捨てても良いですか?」といった質問を受けることはありました。

結論としては、民法を捨てるのは基本的にナシです。


ちなみに、捨ててはいけない科目・捨て科目の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

民法の重要性を理解していただくために、まずは試験種別の出題数から見ていきましょう。

民法の出題数【試験種別】

民法の主な試験種別出題数は以下の通りです。

  • 国家一般:10問(選択)
  • 国税:10問(選択)
  • 財務:5問(必須)
  • 裁判所:10問(必須)
  • 特別区:10問(必須)
  • 都庁:記述試験にて出題(選択)
  • 地方上級全国型:4問(必須)
  • 地方上級関東型:6問(選択)
  • 地方上級中部北陸型:7問(選択)
  • 市役所:4問前後(自治体によって異なる)


最低でも4問、多いところでは10問ということで、非常に出題数が多い科目ですね。

これを踏まえて、民法を捨てるのはなぜ避けた方が良いのか・絶対に捨ててはいけないのかという点を解説していこうと思います。

民法を捨てるのは基本的にナシです

基本的に民法を捨てても良いのは、都庁専願の方のみです。

 

都庁専願であれば、専門は記述試験のみですし、選択科目の中で、民法を記述のためだけに勉強するにはコストパフォーマンスが悪いです。

都庁専願の方には、民法が苦手であればむしろ捨てることをおススメします。



それ以外の方には、正直民法を捨てることはおススメしません。


まあ強いて言えば、以下の方は捨てる選択肢もなくはありません。

  • 民法を勉強してみたがどうしても苦手 かつ 他の科目で得点できる自信がある方


ただ、こういった民法に強い苦手意識がある方も、この記事を読んでもう一度勉強してみて頂きたいです。
きっと、苦手意識は薄れていくはずですから。

なぜここまで「捨てないで」と言うのか。
正直、「民法抜きでは合格できないのか」というとそうではなく、もちろん合格できる可能性は十分ありますよ。


合格体験記などでは、「民法を完全に捨てて合格しました」という方を見たことはあるでしょう。

コムオ
しかしそういった方が安定して合格点をとることができるかというと、また別の話なんですよね。



一発勝負である公務員試験においてここまで大きなメイン科目を捨てると、どうしても安定感という面では劣るようになってしまいます。

例えば、国家一般では以下のように、民法は全体を安定させるための要ともいえる科目なんです。

国家一般における民法の重要性

国家一般では民法を捨てると、多くの場合はミクロ・マクロや学系を選択科目として準備する必要があるでしょう。


しかし、年にもよりますが、国家一般ではミクロ・マクロは少なくともどちらかが難しい場合が多いです。

学系に至っては地雷科目なんて呼ばれることもあり、難易度の波が非常に激しい科目です。



そういった時に、国家一般の選択科目の中でも難易度は比較的安定しているといわれている民法を選択できないのは痛いです。


それに、専門科目に傾斜がかかる国家系の試験では、専門でこけた分を教養でカバーすることは非常に難しいですよ。



また、国家一般だけではありません。

多くの方が受験するであろう特別区では専門の傾斜こそないものの、民法は10問出題されるうえに基本的な問題が多く、勉強してきてさえいればかなりの得点源になります。



少し脅かしてしまいましたが、以上のように、民法は「出題数が多い」だけでなく、科目としての難易度が高い分、試験での難易度は比較的安定している科目なのです。

そのため、ある程度安定して合格を目指したいのであれば、勉強すべきなんです。

 


人生がかかった公務員試験で、博打はしたくないですよね?

民法の勉強について

暗闇の時計と本

民法は出来るだけ捨てないほうがいい
ということがわかって頂けたでしょうか?


しかし、「捨てたくて捨てるわけじゃないんだけど、難しいから仕方なく捨てる」という方もいるでしょう。


大丈夫です。

苦手な人は「それを克服する」、元々苦手でない人は「得意科目にする」ために、時間のロスを最小限にしつつ、得点を伸ばす勉強法を紹介していきます。



まずは、勉強を始めるべき時期から解説していきます。

民法の勉強はいつから始めるべき?

ここでは、出来る限り短期間で得点を伸ばせる勉強法や参考書を紹介しますが、それでも民法は他の科目と比べて時間のかかる科目です。

試験対策を始めた時期や受験先にもよりますが、試験前年の9月か10月くらいには始めておきたいですね。

これくらいに始めれば、年内に基礎は固まると思いますので。



ただ、効率を重視するなら、数的処理などの科目よりは後に勉強を始めるのを推奨します。

理由としては記憶の残りやすさが違うからですね。こういった勉強する順番については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。




コムオ
とはいっても、勉強を始める時期としては、遅くても年内には始めてくださいね。


民法は数的や経済学と並んで、そこそこ勉強に時間がかかるメイン科目です。
メイン科目である民法を年明けに始めるのは、流石に厳しいと思います。

民法の勉強法は正文化で決まり!苦手を克服するには?

民法の勉強法は、私の他の科目の記事でも何度も紹介しているように、やはり「正文化」を使うのが一番でしょう。


「正文化を初めて聞いた」、「詳しいやり方を知りたい」という方は、以下の記事で正文化による学習の進め方やメリットを紹介していますので、ご覧ください。



民法は正文化と非常に相性が良い科目です。


なぜなら、科目としての難易度は比較的高いですが、難解な問題が出てきた場合でも、「よくわからないけどとりあえず正文化でそのまま覚えてしまえばいい」からです。

科目の難易度は高くても、出題される問題の難易度は高くないので、これで得点できてしまいます。

 

もちろん理解できる所は理解した方がいいのですが、公務員試験は基本的に択一試験なので、力技で覚えてしまっても結果的に得点できればそれでいいのです。

予備校チューター時代の経験から、民法が苦手な方の多くは、「よくわからない分野がいくつも出てきて、それを理解しようと思う中で時間がかかりすぎて挫折する」方が殆どです。


それなら、難しいところは問題文ごとそのまま暗記してしまえばいいんです。


どうせ公務員試験は殆ど過去問と同じ問題しか出ないのですから、それで十分得点できます。

ちなみに、私は根抵当権の分野などがそうでしたが、本番ではしっかり正解できました。


ただ、「力技で覚えるのも数が多いと大変」という方もいますよね。


そういった方は、補助の参考書に頼りましょう。

コムオ
正文化は過去問集がメインですが、「難解な分野」や「関連事項と結び付けて覚えたいとき」などに補助の参考書を参照することで、学習効率を更に高めることができるんです。



そのために、過去問集や補助の参考書のおススメを次に紹介していきたいと思います。

民法のおススメ参考書・過去問集はこれ!

多くの開いた本
民法の勉強ではもちろん正文化を使っていくのですが、科目としての難易度は高いので、補助の参考書を手元において正文化を進めた方が、学習がはかどるかと思います。


個人的に、民法の補助の参考書はこれしかないと思っているので、それを紹介していきますね。



また、過去問集も「思考停止でスー過去」ではなく、受験先や勉強の進行状況別に紹介しますので、是非自分に合ったものを選んでください。

正文化の補助としておススメの参考書

民法の参考書は数多くあり、おススメできるものも複数あります。

それはまた別の記事で詳しく書くとして、1番のおススメをここでは紹介したいと思います。


補助の参考書で最もおススメできるのは、「寺本康之の民法ザ・ベスト+」です。

コムオ
寺本さんは予備校で講師をしており、とてもわかりやすく面白い先生だそうです。
この書籍も、民法初心者の方にもとっつきやすく、不要な事例などは省いてわかりやすさを追求した参考書となっていますよ。



網羅性が非常に高い参考書で、一から読むのはおススメしませんが、補助として使うなら一番でしょう。


そして、民法の参考書は優れたものが多い中で、これが一番と言い切れるのは、もう一つ理由があります。


それは、YouTubeでこの参考書を使った講義が見られるためです。


全部見ると時間がかかってしまいますが、難解な部分・苦手な部分に絞って見たり、息抜きに見れば、普段の勉強とは異なる視覚情報や聴覚情報で、簡単に理解できてしまったりします。


寺本先生の講義は予備校の先生の中でもトップクラスにわかりやすいですからね。それが無料で受けられるのは非常に大きいです。

過去問集は受験先別に選ぼう!

続いて、過去問集を紹介していきます。
こちらも別の記事で詳しくは紹介するので、結論だけ簡単に述べていきますね。

しっかりやるなら「スー過去」!
まず、民法をしっかり仕上げたいor国家系の試験の志望度が高い方は、言わずと知れた「スー過去」を使うと良いでしょう。


やはり問題の選定の質・十分な分量で、民法においてもこの参考書は非常に優れています。



国家系では民法の難易度は安定しているとはいえ、そこそこ難しい問題が出ます。

そのため、スー過去のレベルまでやっておいた方が安心でしょう。


ちなみに「クイックマスター」も民法に関しては「スー過去」に劣らない完成度なので、好みでこちらを選んでいただいても構いません。


次に、地方上級や特別区が第一志望の方に関してですが、時間と相談しつつ、出来れば「スー過去」までやっておいた方が安心ではあります。


ただ、地方上級・特別区・市役所志望で時間の余裕がない方は、以下の過去問集も視野に入ります。

さらっとやるなら「だからカコモンで克服!」
「だからカコモンで克服!」という過去問集で、「スー過去」よりも問題数は大分少なくなりますが、頻出事項をしっかり網羅しています。

基本的な部分のみを固めるのであれば、最もおススメの過去問集といえます。


問題の分量的に不安になる方もいるかもしれませんが、正直、特別区・地方上級・市役所のレベルであれば、これをしっかり仕上げれば合格点は安定してとれます。


まあ国家系も併願する方が殆どだと思うので、併願のことを考えると結論は「時間に余裕があればスー過去をやった方が良い」です。


ただ、国家系を受ける方でも地方公務員の志望度のほうが高い方であれば、問題はないと思います。

学説問題や家族法といったマイナー分野も勉強すべき?

ひらめき
民法では学説問題家族法という2つのマイナー分野からの出題があります。


この2分野は勉強するか悩む方も多いでしょう。


結論から言えば、

  • 学説問題は国家一般志望の人のみ、学習推奨
  • 家族法は受験先にかかわらず、学習推奨


以上の通りです。詳しく説明していきますね。

学説問題は国家一般志望の方はやっておこう

民法には学説問題があります。

とはいっても、国家一般・地方上級でたまに出る程度です。

国家一般が第一志望の方は、念のためスー過去の難易度2までの学説問題はやっておきましょう。

国家一般で民法を選択するのであれば、民法はこれくらい力を入れて勉強しておくのが無難ですからね。



また、学説問題は地方上級でも出ることがありますが、地方上級志望の方は捨てて良いでしょう。


以下の憲法の記事では、「学説問題は国家一般・地方上級志望の方はやった方が良い」と言いましたが、民法の学説は、憲法よりも出題パターンが多く、難易度が高い問題も出題されるんです。


民法の学説問題でも基本問題が出ることはあるのですが、基本問題とは言ってもスー過去などに載っていないパターンの問題が出ることも多々あります。

そのため、地方上級の民法では学説問題までやるのはコストパフォーマンスが良くないと思います。



スー過去に載っているものと同じパターンで、かつ難易度が低い問題なら得点できるんですが、地方上級では中々出題されませんし、国家一般と違って専門に傾斜がかかるわけでもないですからね。



また、地方上級は全国型以外は問題単位で選択できるところが殆どなので、選択しなければ良いのです。

コムオ
実際、模試などで正答率を見て頂ければわかりますが、学説問題は多くの受験生が解けませんので、勉強してきている受験生は少ないです。



「もし出題されたときに他の受験生と差をつけたい」ということであればやってもかまいませんが、時間と相談したうえでやってくださいね。

家族法は試験種にかかわらず、時間に余裕があればやっておこう

次に家族法ですが、これは多くの試験種で「年によっては1問出題される」くらいの出題頻度です。


この分野に関しては、簡単な問題から難しい問題まで様々な出題があります。

コムオ
家族法も勉強しない受験生は多いので、模試での正答率は低いですよ。


なのでやらなくても結構なんですが、学説問題とは違って、範囲は狭く、出る年は複数の試験種で出ることもあります。


そのため、基本的な部分だけさらっておくというのがベストでしょう。

「スー過去」で言うと難易度2まで、「だからカコモンで克服!」は元々基本的な問題に絞ってくれているので全部やりましょう。



もちろん家族法の難しい問題は捨てて結構です。

「レアな分野の中でもレアな難易度の問題」なんてやるだけ時間の無駄ですので。

民法改正の影響と対策

平成29年に民法を改正する法律が成立しました。

その内容としては、時事のテキストなどに詳しく書いてあると思うので、ここでは簡潔に申し上げますが、以下の通りです。

  • 消滅時効の見直し
  • 法定利率の見直し
  • 保証の見直し
  • 約款の規定の新設

またこれだけでなく、相続法の改正も平成30年に行われ、同様に新たな制度の新設や見直しが行われています。

改正があった法律は、教養試験の時事の分野では、施行前から出題されます。
ですがそれについては、時事の参考書でしっかり取り扱ってくれているので大丈夫です。



続いて専門試験の民法での出題ですが、債権法も相続法も令和2年度の4月にはほとんど全ての規定が施行されます。

そのため、2020年度の試験以降は、民法の改正部分が出題される可能性があるということです。


コムオ
「公務員試験にどう影響を及ぼすのか」気になる方は多いと思いますが、これ、実は正直、全く気にする必要はないんです。



唯一気を付けてほしいことがあるとすれば、改正に対応するために「民法の参考書・過去問集は最新のものを買いましょう」ということくらいです。


基本的には、受験生の皆さんは「試験範囲がどうなるのか」といったことは気にしなくてよくて、それは出版社さんの仕事なので、任せておくべきなんです。


ようするに、参考書や過去問集の中で、改正後の最新の知識が掲載されるはずで、それを学習するだけで十分なんです。

おそらくその部分こそ、出題傾向の研究を重ねた出版社さんが「出題されるだろう」と考えている分野ですから。逆に、それ以外の部分から出ても、誰も解けませんので大丈夫です。



簡単ですよね?

受験生の皆さんは、最新の参考書・過去問集を買い、その中で触れらている改正の知識のみを学習すればいいのですから。

まとめ

  • 合格点を安定してとるためにも民法は捨てないようにしよう!

  • 民法の勉強は「正文化」を使い、遅くても年内には学習を始めるようにしよう!

  • 過去問集は人によって使い分け、補助の参考書は「ザ・ベスト+」を使って、効率を最大限に上げていこう!

  • 改正民法に関して気を付けるべきことは、実は「最新の過去問集を買う」ことだけ!


民法はメイン科目でもあり、多くの受験生を悩ませる重い科目でもありますよね。

私も勉強法や参考書が固まるまでは、中々点数が伸びず苦労した覚えがあります。

しかし、それらが固まってしまえば、今まで伸び悩んでいたのが嘘のように安定して高得点が取れるようになりました。



科目としての難易度は高いけれども、問題の難易度は高くないのが民法です。

そのため、一度仕上げてしまえば、各試験種で得点源になります。

コムオ
正文化や参考書選びも大事ですが、結局最も重要なのは、「覚えるまで何周も何周も過去問集を回すこと」ですよ。頑張ってくださいね。

 

難解な部分は、補助の参考書の力を借りたり、力技で乗り切ることで、出来る限り最短最速で民法を仕上げてしまいましょう!


この記事が、当時の私のように民法の勉強で悩む受験生のお役に立てれば幸いです。

この記事を読んでわからなかったこと、その他公務員試験に関して、公務員の仕事に関して、なんでも気軽に聞いてくださいね。