
公務員ラボへようこそ。
捨て科目についての悩みは、皆さん一度は持つと思います。
捨て科目は一度選んだら基本的に変えられないものなので、非常に重要な選択になります。
正しい選び方を理解したうえで、慎重に捨て科目を選ぶ必要がありますからね。
ということで今回は、LEC模試で全国2位をとり、国家一般や特別区に上位合格した私が、捨て科目について徹底解説していきます。
公務員試験で捨て科目を作らないのはNG?
まず、捨て科目を作らないことに関してですね。
結論から言うと公務員試験では、捨て科目は基本的に誰でも作るものです。
公務員試験で捨て科目を作らないのは非効率
時間に余裕がある人は「捨て科目作らないで、全科目勉強した方がいいんじゃ?」と思うかもしれませんね。
時間に余裕がある方は、捨て科目を作ったうえで他の科目に最大限時間を割くべきですよ。
では、なぜ捨て科目は必要なのか。
以下のような公務員試験ならではの特徴が理由です。
- 科目数が多い(=出題されない科目もある)
- 多くの試験は6割とるだけで合格できる
公務員試験は全科目を勉強すると、かなり多くの時間が必要な試験なんですよね。
かといって、8割や9割もとらければ合格できないかというと全然そんなことはないので、そもそも全科目勉強する必要もないんです。
「受験生の多くがいくつかの科目を捨てる」ことは、出題者側も当然想定しているはずですよ。
捨て科目を作らないで、全科目仕上がるならいいんですが、難しいと思いますよ。
確実に記憶に定着させるには、1科目につき、問題集を5~10周程度はしたいですからね。
なので、時間に余裕がある方も、捨て科目を作ってそれ以外の問題集を繰り返しやったほうが確実に得点は安定します。
公務員試験の捨て科目は何科目まで?
- 何科目まで捨ててもいいか?
- 普通の受験生は何科目捨てているか?
こういった問いに対しては、「受験先や勉強の進捗度による」という答え方が、一応適切ではあるでしょう。
ただ、これは受験生が本当に求めている答えではないですね。
なので、具体的に数字で答えます。
捨てていい科目数は、最大で7.8科目
一般的な受験生の捨て科目の数は、平均で4.5科目
これくらいでしょうね。
チューター・講師の経験から多くの受験生を見てきたので、間違いないと思います。
ちなみに、この科目数に関して、一部の方が抱くであろう疑問に以下でお答えします。
「もっと多く捨てて合格してる人もいるので、その科目数は適切じゃない」と思う方もいるでしょう。
もちろん、10~15科目捨てても合格できる可能性はありますよ。
ただそれって、もう一回受けても合格できますか?
公務員試験はある程度安定した得点をとることを意識したいですよね。
でもそんなに捨ててしまうと、安定なんて無理です。
自分が得意な科目で、難しい問題が出題されたら終わりですから。
以上のことから、安定して得点できる現実的なラインでの数字を出しました。
ただ、最初に書いたように「捨て科目の数は受験先やその人の勉強の進捗度による」というのも正しいので、この数字は目安程度です。
そして、これは教養・専門を合わせた数ですので、「教養のみ」の試験を受ける方はこんなに捨てない方がいいです。
「教養のみ」の試験の捨て科目や詳しい勉強法は、以下の記事で徹底解説しているので是非ご覧ください。
公務員試験の捨て科目・捨てちゃいけない科目
ここまでで、「捨て科目を作った方がいい理由」と、「捨て科目の数の目安」はわかって頂けたでしょうか。
ここでは、具体的にどの科目は捨てていいのかというのを、捨てるべき科目・捨ててもいい科目・捨てない方がいい科目に分けて説明していきます。
公務員試験の捨て科目
- 教養:古文、文学・芸術
- 専門:刑法、商法
以上の科目は捨ててください。
これらの科目は出題数が少ないうえに、勉強しても安定した得点は期待できないので、コストパフォーマンスが悪すぎるんですよね。
まあ何らかの理由で「どうしても勉強したい」という場合は止めません。
その場合は以下の記事を参考に最低限勉強してください。
ただ、おすすめはしませんよ。
公務員試験で捨ててもいい科目
- 教養:人文科学のうち1~2科目・自然科学のうち1~2科目
- 専門:学系(政治学・行政学・社会学)のうち1科目、財政学
捨ててもいい科目は、こんな感じですね。
ちなみに、教養に関しては、人文科学も自然科学も1~2科目と書いていますが、両方とも2科目捨てるというのは少し厳しいです。
専門も捨てていいのは、財政学&学系のいずれか という形で最大2科目ですね。
まあこの辺はサブ科目なので、これくらい捨てても何の問題もないです。
公務員試験で捨てちゃいけない科目
- 教養:数的推理(数的処理・判断推理・資料解釈)、文章理解(現代文・英語)、思想
- 専門:憲法、民法、ミクロ・マクロ経済学
これらの科目は、「どの試験でも出題数が多い科目」または「少ない時間で簡単に得点できる科目」ですので、捨てないで勉強しましょう。
ただ、民法、ミクロ・マクロ、数的、英語あたりは、人によってはかなり苦労するとは思います。
そんな方も、以下の記事を参考にしながら、捨てずに何とか勉強してください。
苦手な人でも安定して得点が伸びる勉強法を解説していますので。
ちなみに、これまでの3つの項目で名前が挙がってない科目(時事や行政法など)は「捨てるのを推奨はできない科目」です。
推奨はしないけど、どうしても苦手なら捨てていいという感じですね。
公務員試験で捨て科目を決める,3つの基準
以上に具体的な科目群をあげましたが、結局捨て科目は人それぞれなのも事実です。
受験先や進捗度によって変わるので、ここで捨て科目の選び方の基準を紹介します。
まあ上記の具体的な科目群も、この基準に沿って選んではいるので、もちろん上記の通りにしても構いません。
- 第一志望での公務員試験での出題数
やはり、出題数が多い科目は得点源になりますし、逆に出題数が少ない科目は、いくら得意でも武器にはなりません。
そのため、第一志望の公務員試験の出題数は早めに確認しておきましょう。
- 第一志望の公務員試験でのその科目の難易度
・思想の出題数は1問だけだが、難易度は低いので捨てない
出題数だけでなく、その科目の難易度も考慮しなきゃいけません。
せっかく勉強しても得点できなかったら意味がないですからね。
特に国家一般の専門科目は、科目によって難易度の波が激しいので注意しましょう。
- 得意科目か、苦手科目か
・暗記科目が得意なので学系は捨てない
この基準は、他の2点よりは優先度が下がります。
なぜなら、苦手だからといって、数的や民法などを捨てるのはお勧めできませんからね。
ただ、そういった捨ててはいけない科目を除き、捨てるか迷った時の1つの基準にはなります。
得意科目かどうかによって、得点を伸ばすためにその科目に費やす勉強時間が変わってきますからね。
公務員試験の捨て科目は「分野単位」で考える必要も
この記事のテーマからは少し話題がそれますが、かなり重要な話です。
公務員試験では、科目や受験先によっては「出題されにくい分野」が存在します。
なので、その分野を勉強するのは時間の浪費になる可能性が高いんです。
具体的には、自然科学や人文科学は、こういった傾向が強いので、分野単位で捨てて勉強した方がいいです。
実際に捨ててもいい範囲・勉強すべき範囲については以下の記事で解説しています。
もちろん自然科学や人文科学以外の科目も、受験先によっては捨てられる分野があります。
「スー過去」などの過去問集には試験種ごとの頻出度が載っているので、それを参考に勉強する範囲を絞りましょう!
公務員試験の捨て科目まとめ
- 公務員試験で捨て科目を作らないのは、むしろ効率が悪い!
- 第一志望での出題数や難易度、得意か苦手かで捨て科目を決めよう!
- 科目単位だけでなく、分野単位でも捨てる範囲を作るのが重要!
捨て科目については、誰もが考えたことがあると思います。
勉強を始める前に考えなければならないのですが、中々捨てる決断をするのは難しいものがありますよね。
捨て科目の数も、7.8科目までなら捨てても十分安定した得点ができるので、安心してくださいね。
そして、この記事で紹介した捨て科目を選ぶ基準に沿って、あなたにとってベストな捨て科目を選んでください!
捨て科目で他の受験生に差をつけていきましょう!
この記事が、捨て科目のことで悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。
公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。