公務員試験のミクロ・マクロ経済学は、苦手とする人が多い印象です。
ただ、勉強法や参考書に気を付ければ、実は難しい科目ではありません。
ここでは、模試で全国2位をとり、特別区や国家一般など多くの公務員試験に合格した私が、ミクロマクロで失敗しない勉強法・参考書をまとめて解説します。
ちなみに、地方上級の対策に特化したミクロ・マクロ経済学の勉強法は以下でまとめています。
目次
公務員試験でミクロ・マクロ経済学を捨てるのは?
ミクロ・マクロは分量も多く、難しい科目なので、捨てる人もいます。
結論から言うと、公務員試験でミクロ・マクロを捨てるのはなしです。
都庁専願やどうしても捨てたい人は捨ててもいいですが、それ以外の人は勉強しましょう。
経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)の出題数
経済原論(ミクロ・マクロ)の出題数を簡単に言うと、殆どの公務員試験で10問ほど出題されると思ってください。
ここではミクロ・マクロの重要性をご理解いただければ十分なので、約10問という理解で十分です。
一応、ミクロ・マクロを合わせた経済原論の出題数を書いておきますが、まあ読まなくても結構です。
- 国家一般・財務専門官・裁判所・特別区:10問
- 地方上級全国型:9問
- 地方上級関東型:12問
- 地方上級中部北陸型:8問
- 国税専門官:6問
国税以外はかなりの出題数であることがわかるでしょう。
ここでは、ミクロ・マクロはほとんどの公務員試験で重要だということが再確認してもらえればOKです。
公務員試験でミクロ・マクロ経済学を捨てるのはナシ!
結論はさっきも言いましたが、ミクロ・マクロを捨てるのはナシです。
※都庁専願の方を除く
理由ですが、以下の民法の記事で述べた捨ててはいけない理由と、全く同じなんです。
簡単に言うと、
- どの公務員試験でも出題数多め
- 科目の難易度は高いが、実は試験での難易度は安定してる
- 捨てて他の科目で勝負することも出来るが、安定感がなくなる
こういった理由から、捨てるのはおすすめしません。
ミクロ・マクロって、民法などと並んで公務員試験のメイン科目なんて言われたりしますが、以下のように民法と似ている部分が多いんです。
例えば、学系の難易度の波が激しい国家一般では、民法やミクロ・マクロは難易度が安定しており、高確率で選択できます。
専門試験に2倍もの傾斜がかかる国家一般で、これらの科目を勉強してるかの差は非常に大きいですよね。
ちなみに国家一般以外でも、ミクロ・マクロは難易度の波が少ない科目ですので、捨てないことをおすすめしますよ。
得意科目になるとは言い切れませんが、根気強く続けることさえできれば、苦手科目ではなくなっているはずです。
それは私が保証しますので。
ミクロ・マクロ経済学の勉強法【導入本不要】
さて、ミクロ・マクロは捨てないでほしいという話をしましたので、次は「じゃあどんな参考書で勉強すればいいの?」というお話です。
結論としては、導入本は不要でいきなりスー過去です。
詳しく話していきますね。
導入本不要で「スー過去」に入ろう
以下の理由から、ミクロ・マクロでは導入用の参考書を読んでから問題集に移る勉強法はNGなんです。
「らくらくミクロ経済学」や「最初でつまづかない経済学」など、公務員試験のミクロ・マクロはわかりやすくまとめられた導入用の参考書が多いです。
なので読んでいる間はミクロ・マクロができるようになった気になりますが、その後スー過去を見ると、解ける問題の少なさに驚くでしょう。
「導入本では基礎が理解できてれば、まだ問題は解けなくていい」と思うかもしれませんが、公務員試験に限っていえば、理解は必要ありません。
記述試験では、答えにたどり着くまでの過程も評価の対象になるのでもちろん理解していなければいけません。
しかし、公務員試験のほとんどは択一試験です。
極論、答えが合ってれば過程なんて何でもいいんです。
私はミクロ・マクロの全ての問題を「過去問でこう解いたから」で解いてました。
導入本を最初に挟んだほうが「理解」は得られるかもしれません。
しかし、最短最速で「得点」を求める人は、導入本なしでスー過去を何周も回してください。
「正文化」と「パターン暗記」で最短で得点源に
勉強法は非常に単純です。
正直問題を見ても、なにも分からない状態だと思いますが、大丈夫です。
そのまま進めてください。
公務員試験のミクロマクロでは2パターンの問題が出ます。
その2つは勉強する際の処理が異なりますので、以下で軽くまとめておきますね。
- 理論系の文章問題
これは、人文科学などと同じ暗記問題と思ってOKです。
内容がわからなくても、そのまま暗記すれば簡単に得点できます。
普通に暗記してもらっても結構ですが、公務員試験では鉄板の勉強法になりつつある「正文化」で、効率よく覚えてしまいましょう。
- 計算問題
ここは多くの方が苦労するところですが、解き方をそのまま覚える「パターン暗記」で対応すれば確実に得点は安定します。
パターン暗記については、以下の数的処理の記事でまとめていますので、やり方がわからない方はご覧ください。
公務員試験のミクロマクロの計算問題はパターンが限られるので、この勉強法との相性は抜群です。
勉強法はこれだけです。
簡単に言うと、文章問題も計算問題も暗記してしまいましょうということですね。
フィリップス曲線だとか、産業連関表といった「なぜこうなるのか分からない分野」も、この勉強法なら関係なく得点できます。
私自身、実際に経験してわかりましたが、結局公務員試験では過去問の焼き増しが殆どですからね。
やはり、特に計算問題なんかはこれまで何十年と公務員試験をやる中で傾向は決まっていて、本当に同じようなパターンの問題ばかり出ます。
そのパターンさえ覚えてしまえば、簡単に得点できるということになりますね。
経済学を理解した方が応用力がつくんじゃないの?
この項目は興味があれば読んでくださいで。飛ばしてもらっても結構です。
「理解は二の次で、暗記してしまうのが最短かつ安定して得点を伸ばす方法」というのが、ここまでの私の結論です。
まず、そもそも公務員試験において、「理解している=応用力がある」ではないんです。
もちろん、たまに暗記だけでは難しい、応用問題が出るときはありますよね。
ですが、結局理論を理解している方でも、一部の「もともと応用力のある優秀な方」以外、そういった問題は解けません。
逆に、暗記だけで進めてきた方でも、優秀な方なら過去問の解法を応用して、難しい問題を解ける方もいます。
つまり、勉強法にかかわらず、「応用力がある人は難しい問題も解けるが、そうでない人は解けない」のです。
一朝一夕で身につくものでもないので。
最終的に私が言いたいのは、「応用問題が解けるのはほんの一部の人だけだから解けなくていい」ということです。
模試の正答率なんかを見ればわかると思いますが、過去問であまり出題されていないような応用問題は、ほとんどの人ができません。
なので、そういった問題は迷わず捨てていいですからね。
【暗記が苦手な方へ】理解しながら学習を進める選択肢
※この項目は、「暗記がどうしても苦手」という方のみ読んでください。
この勉強法には一つだけ大きなデメリットがあります。
それは、暗記が苦手な方にとってはとてもつらいという点です。
いきなりスー過去に入ると、なにもわからない状態で進めなければいけません。何もわからない状態で進めるのは構いませんし、文系の方にとってはそれが最短最速です。
しかし、理系脳で暗記が苦手な方にとっては、こういった単純な丸暗記は非常に苦痛だと思います。
訳も分からず公式を暗記し、それに当てはめて解いて、謎の学者や理論を覚えなければいけないわけですから。
そういった方は、理解を主軸に進めていっても構いません。
「これだけ暗記を推してたのに結局どっちでもいいのかよ」って思いますよね。
とはいえ、やはり「導入本を一通り読む→スー過去に入る」従来の学習法はおすすめしません。
導入本を読んで基礎を理解しても結局問題を解けるようにはならず、時間のロスになりますからね。
過去問に沿って学習を進めるのは変えずに、以下の方針で行きましょう。
「補助の参考書の該当部分を参照して理解も絡めながら、スー過去メインで進めていく」というのが、暗記が苦手な方には最も効率がいいでしょう。
やはり過去問重視の公務員試験において「実際に出た問題に沿って進める」というのが最も重要です。
なので、過去問に出た部分に関して、暗記を効率よくするために、補助として理解を深めるという形で、暗記のための手段として、理論の理解をしていきましょう。
補助の参考書というのは、次の項目で紹介します。
ミクロ・マクロ経済学の参考書・問題集は一択!
ここからは最後に、ミクロ・マクロで使うべき参考書・問題集についてまとめます。
実際に私が使って、上位合格した参考書・問題集を紹介しますので、自信をもっておすすめできますよ。
ミクロ・マクロの問題集は「スー過去」で決まり
まず、問題集は「スー過去」でOKです。
問題の選定・分量・的確なまとめと、文句なしの出来ですので、問題集はこれ一択です。
他にも問題集はありますが、特に理由がなければ「スー過去」を使うべきです。
ミクロ・マクロのおすすめ参考書は「ザベスト」
後でリンク貼りますが「公務員試験 島本昌和のミクロ(マクロ)経済学ザ・ベスト+」という参考書がおすすめです。
この参考書をおすすめする理由は以下の通りです。
- 基礎~やや応用まで対応しており、網羅性も高い
導入本として基礎を固める目的ではないので、「らくらく」や「最初でつまづかない」シリーズではレベルも内容も足りません。
ですが、この参考書は「スー過去」と同レベルまで網羅していますので、スー過去と並行して参照するにはもってこいです。
- わかりやすいレイアウトと丁寧な説明
暗記を助けるために非常にわかりやすく、丁寧な説明が施されています。
- 単に「理解する」より「問題を解けるようになる」参考書
「問題を解くためにここを理解してもらおう」、「問題を解くためにここを暗記してもらおう」といったことを重視してるのが伝わる参考書です。
得点に直結する内容なので、過去問演習をしながら参照するのにぴったりの参考書ですね。
導入本はいらないので、この参考書を使いながらスー過去を進めていきましょう。
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ミクロマクロのおすすめ参考書・勉強法まとめ
- ミクロ・マクロは出題数が多いだけでなく、試験での重要度が高いので捨てないようにしよう!
- 理解は基本的にいらないので、「正文化」と「パターン暗記」で最短最速で得点を伸ばしていこう!
- 暗記で進めるのがつらい方は、「スー過去」を軸に、「ザ・ベスト+」を補助として使い、理解を絡めながら進めていこう!
「公務員試験のミクロ・マクロは導入本が必要」という方もいます。
たしかに、訳も分からないままスー過去に入るよりはその方が精神的負担は少ないです。
「どうしても暗記では不安」という方も、せめて導入本は使わずに、過去問メインで補助の参考書を参照するというやり方を試してみてください。
私はどちらも試して時間を浪費してしまいましたが、結果的に「暗記」だけで得点する方針に固まったので、自信を持っておすすめできます。
冒頭にも紹介しましたが、地方上級を受ける方は以下の記事は必見ですよ。
この記事が、当時の私のようなミクロ・マクロの勉強法で悩んでいる受験生のお役に立てれば幸いです。
以下の参考書・問題集は、公務員試験のミクロ・マクロに特におすすめで、私も実際に使用していたので、是非試してみてください。
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このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。 公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。