公務員ラボへようこそ。
目次
公務員試験の面接は女性の倍率が多少下がることもある
結果から言うと、公務員試験では、女性の倍率が男性より下がることもあります。
もちろんすべての公務員試験ではないので一律に「女性が有利」というのは間違いです。
いくつかの公務員試験で、結果的に女性の倍率が少し低めにはなっています。
具体的には、以下の令和元年(まだ掲載されてなかった場合は平成30年)のデータをご覧ください。
1次の筆記試験では男女の倍率に大きな差はなかったので、2次試験受験者に対する、最終合格者の倍率を掲載しています。
裁判所事務官
裁判所事務官(大卒一般職)の倍率は、以下の通りです。
- 男性:743人中204人合格(3.64倍)
- 女性:625人中316人合格(1.98倍)
男性の倍率が、女性の倍率の2倍近くありますね。
裁判所は、女性優遇と言われがちな試験で、過去にはもっと倍率の差が開いていた年もあり、一番差があった時期は私も「流石に優遇がある」と思う時期もありました。
ただ現状は少し意見が変わっており、現在の倍率差であれば、コミュニケーション能力などにより「結果的に女性が高得点をとっている」可能性も考えられる差なので、個人的にはある程度仕方ない差かと思います。
国家一般職
国家一般職の人事院面接のデータは以下の通りです。
- 男性:1624人中1074人合格(1.51倍)
- 女性:941人中718人合格(1.31倍)
多少女性の倍率が低い傾向はありますが、裁判所事務官と比べても僅差ですし、女性優遇はあまりないと言っていいでしょう。
もちろん、比較的低倍率なので、0.2倍の差とはいえ小さくはありません。
特別区
特別区Ⅰ類事務の倍率は以下の通りです。
- 男性:2421人中1306人合格(1.85倍)
- 女性:1391人中1065人合格(1.30倍)
国家一般職よりも、特別区のほうが全体の倍率は高いですが、女性の倍率は低くなっていました。
(なので、上記データは平成30年度の倍率です。)
なので最新の結果はわからないですね。もしかしたら、男女の差は広がっている可能性もあれば、小さくなっている可能性もあります。
東京都庁
都庁のⅠ類Bの採用試験の結果は以下の通りです。
(令和元年の結果はまだ掲載されてなかったため、平成30年のデータ)
- 男性:644人中230人合格(2.80倍)
- 女性:376人中191人合格(1.97倍)
都庁は、約1.5倍の倍率の差があります。
ここまで出てきた中だと、裁判所に次いで大きな差ですね。
女性を優遇しているのか、単純に「女性は面接が得意な人が多いことから、合格者が多く出ている」という可能性もあるため、原因はわかりません。
道府県庁
続いて、道府県庁です。
全ては紹介できないので、代表的なところだけ紹介しますね。(執筆時点での情報です)
・神奈川県庁、埼玉県庁、京都府庁:男女別の倍率の公表なし
・千葉県庁 一般行政A
- 男性:104人中76人合格(1.37倍)
- 女性:37人中34人合格(1.09倍)
それほど大きな差はないですね。
そもそも単純にどちらも面接の倍率が低い印象です。
その分筆記の倍率は高くなりますが「面接が苦手」という方は、千葉県庁がおすすめです。
・北海道庁 行政A(第1回)
- 男性:505人中185人合格(2.73倍)
- 女性:249人中111人合格(2.24倍)
倍率の差については、千葉県庁と同じくらいで、それほど大きくはないですね。
独自日程ということもあり、全体的に倍率が高くなっています。
・大阪府庁 行政(22-25)
- 男性:230人中65人合格(3.54倍)
- 女性:161人中95人合格(1.70倍)
割と大きな差があります。この年だけなのかもしれませんが、当記事では一番大きな倍率差になっています。
女性活躍を推進していくことは各自治体にとっても重要課題なので、個人的には不公平というわけではなく、仕方ない部分はあるかと思います。
市役所
市役所は、「上記で紹介した道府県庁の県庁所在地の市」のみを紹介していきます。
・横浜市役所、千葉市役所、さいたま市役所、大阪市役所、京都市役所:男女別の倍率の公表なし
このように殆どの市役所では男女別に公表はしていないようです。
・札幌市役所
- 男性:240人中68人合格(3.53倍)
- 女性:96人中53人合格(1.81倍)
この中では、札幌市役所が唯一、男女別に人数を公開していました。
男女差は割と大きめですね。
ただ、市役所については、非公開のところが多いので、全体的に倍率の差があるのかはわかりません。
参考:朝日新聞に掲載された「名古屋市役所の女性優遇」
以下の通り、名古屋市の女性優遇が朝日新聞で掲載され、世間を騒がせたことがあります。
名古屋市の職員採用試験に「女性優遇」疑惑 原因は面接での甘さ?
「男女差別が行われているのではないか」といった声もあったようです。
名古屋市役所としては、「女性を優遇してるわけではなく、得点順に上からとったらこの結果になった」と説明しているようです。
男女差別ということはないと個人的には思いますし、名古屋市が「結果的にそうなっているだけ」と言っているように、女性はコミュニケーションが得意だったりで、面接の評価が自然に高くなっているだけかもしれませんね。
ちなみにこの記事で書かれているときは、2次試験の合格率は男性が36%に対し、女性は65%だったようです。
確かに差はありますが、名古屋市がこう言っている以上、「意図的に優遇する」ということはないように思えます。
【倍率が高い試験の面接対策】積極的にアピールして、加点をもらう必要がある
結論として、男性と女性で面接対策が異なるということは「ほとんどない」と思っています。
ただ、もし倍率が高い試験を受ける場合、どのように対策すればよいのかをお伝えしておきます。
「公務員試験では、積極的にアピールする必要はなく、最低限の面接ができればいい」って聞いたことありませんか。
最近の公務員試験は面接重視になっていますし、外部から専門の面接官を呼ぶ自治体も多いです。
受験先にもよりますが、倍率が高い場合、「減点を避ける」だけでなく「加点をもらう」ことも必要になってきます。
公務員試験の面接で簡単に加点をもらうには、「話し方」が重要です。
「話し方」で差をつける方法は、以下の記事で解説しています。
単純なことなのですが、これを実践している受験生は少ないので、「確実に」差をつけることができるでしょう。
あとは、逆質問があった場合に備えて、以下の記事を読んでおいてください。
この記事を読んでおけば、逆質問が来た時に「ラッキー!」と思えるようになるはずですよ。
こういった形で、倍率が高い場合は積極的に加点を狙い、差をつけるよう意識しながら、面接対策を行っていきましょう。
民間企業や独自日程を併願して、練習を重ねることも重要ですよ!
【倍率が低めの試験の面接対策】減点が少ない面接を目指す
男女関係なく、もし面接の倍率が低い場合、無駄に加点を狙いに行く必要はありませんし、ある程度の得点で構いません。
ただ、もちろん油断は大敵です。
まずは、筆記試験の勉強に全力を注いでください。
面接のことは筆記が終わるまで考えなくても良いです。
そして面接では、主に「志望動機」と「面接マナー」という減点されやすい2点を意識した対策を心がけましょう。
志望動機はありきたりでもOKだが、減点はされないようにしよう
まず、志望動機はありきたりなものでも構いません。
ただ、ありきたりでも良いですが、減点につながるような志望動機は避けてくださいね。
ここでいう減点につながる志望動機は、「地元だから」とか「安定しているから」といったレベルの低い志望動機ではありません。
ただ、実際に使っている受験生が多いのに、減点につながりやすいと感じたNG志望動機がいくつかあるんです。
そういったNG志望動機は以下の記事で紹介しているので、これだけは気を付けてくださいね。
面接マナーでの減点に気を付けよう
面接マナーで減点されてはもったいないですよね。
面接マナーは「人事が気にしているものだけ」でいいので、勉強しておきましょう。
公務員試験の女性優遇 まとめ
- 公務員試験の女性優遇は、名古屋市の発表などから、意図的にやっているわけではないと推測される
- 男女関係なく、高倍率な試験では、積極的に加点を狙おう!
- 低倍率の試験では、まず筆記の勉強に全力で取り組み、面接対策は減点をなくすことを意識しよう!
男女での倍率差がある受験先もありますが、名古屋市が言うように「意図的にやっているわけではない」とのことなので、そこに不満を言っても仕方ないです。
男性も女性も、それぞれの対策を行って、最短距離で合格までに突っ走ってください!
この記事が、公務員試験で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
この記事を読んでわからなかったこと、その他公務員試験に関して、公務員の仕事に関して、なんでも気軽に聞いてくださいね。