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公務員試験の自然科学は難易度自体は高くないのですが、苦手な方も多いですよね。
目次
自然科学の捨て科目【公務員試験ごとの出題数まとめ】
まず、公務員試験全体での捨てる科目の選び方は以下でまとめてますので、捨て科目を作るにあたって、こちらを参考にしてください。
さて、ここでは、あなたの志望度が高い公務員試験ごとに、何科目捨てるべきか・どの科目を捨てるべきかをお教えします。
「志望度が高い公務員試験が複数ある」方もいると思うので、そういったニーズにも対応できるよう、併願も想定した内容にしました。
他の公務員試験と比べて第一志望のところにどれだけ行きたいかということは、はっきりさせておくべきです。
他の科目でも公務員試験ごとに頻出の分野・そうでない分野はありますので、これは避けて通れない問題ですからね。
ちなみにほぼすべての公務員試験で、化学と生物を捨てることはおすすめしていません。
特に化学は苦手意識がある方も多いですが、それは逆に出し抜けるチャンスです。
後で紹介する頻出範囲のみに絞っても良いので、やってみましょう。
国家一般・国税志望の捨て科目:地学(物理)
国家系(国家総合・国家一般・国税・財務・労基)の出題数は以下の通りです。
- 化学:1問
- 生物:1問
- 物理:1問
- 地学:出題なし
国家系の試験は、自然科学の出題数が最も少ない試験です。
それに加えて、専門科目に傾斜がかかるので、教養科目の重要度は下がります。
以上のことから、国家系の志望度が高く自然科学が苦手な方は、自然科学は2科目捨ててもOK。
もちろん自然科学が得意な方は、物理化学生物の3科目まとめて勉強しましょう。
ここからはその科目の選び方を解説します。
もう1科目捨てるのは、物理がおすすめです。
なぜなら、文系の方が苦労する内容である上、特別区以外では1問しか出ないからです。
「併願先は滑り止めでとりあえず受ける」という考えであっても、他の試験を受けるのであれば、併願のシナジーを考えて、捨て科目は物理がいいと思います。
こんな感じで、基本的に物理と地学の2科目を捨てる形になります。
化学は文系の方でもなんとかなる勉強法を紹介するので、最低限の対策はしておきましょう。
ちなみに理系の方は自然科学は得点源にする必要があると思いますので、地学以外は全て得点源にしていきましょう。
地方上級・市役所志望の捨て科目
地方上級や市役所の出題数は以下の通りです。(市役所は受験先によって異なる場合があります。)
- 化学:2問
- 生物:2問
- 物理:1問
- 地学:1問
地方上級・市役所は、以下の記事でまとめた通り、人文科学の出題が非常に多いので、自然科学よりもそちらの方が重要度は高いです。
ただ、自然科学の出題数も少なくない上、基礎レベルの内容が多いので、出来る限り勉強しておきたいところなんです。
結論は以下の通りです。
②地方上級全国型・中部北陸型、市役所(全問必答型)を受験する方は、できれば全科目勉強しましょう。
まず①に関してですが、やはり問題選択式なので1科目くらい捨てても問題ありません。
選択しなければいいだけですからね。
捨てる科目は理系の方でなければ、物理がおすすめですね。
何度も言っているように化学と生物は捨てられず、地学は公務員試験の中でも難易度最低クラスの科目なので、消去法で物理になります。
ちなみに、もう1科目捨てたい方は以下を読んでくださいね。
頻出範囲を後述するので、範囲を最低限まで絞ってでも、できれば勉強してほしいです。
ただ、正直2科目ぐらい捨てても他の科目で得点できれば十分合格にたどり着けるのは、事実なんです。
なので、自己責任ですが、他の科目を頑張るなら一応アリです。
ちなみに上記の場合にもう1科目捨てる科目として、この場合は化学or地学になります。
ここまで、化学は捨てないように言ってきましたが、この場合は捨て科目にするのもアリです。
なぜなら、どうしてももう1科目捨てたいということは、「自然科学がとても苦手で、勉強する時間の余裕もない人」だと思います。
なので、最低限の勉強で生物・地学を攻略して、他の科目で勝負するのもアリなんです。
それぞれ合格の可能性が高いと思う方を選んでください。
次に、②の「全国型・中部北陸型、市役所(全問必答型)を受験する方」ですが、こちらは①と違い全問必答なので、できれば全部対策してほしいです。
ただ、どうしても時間に余裕がなければ1科目捨ててもいいです。
全問必答の試験では、他の受験生も捨て科目は少ない印象です。
特に、この試験の志望度が高い方は、できる限り4科目全部学習した方が良いかと思います。
なので「どうしても時間に余裕がない方は1科目捨てることも選択肢になり得る」というくらいですね。
この場合に1科目捨てるのであれば、やはり物理を捨てましょう。
特別区志望の捨て科目:なし
特別区の出題数は、以下の通りです。
- 化学:2問
- 生物:2問
- 物理:2問
- 地学:2問
全試験種の中で最も自然科学の出題数が多いです。
そのため、特別区の志望度が高い方は問答無用で全科目勉強していただきたいです。
「ここまで捨て科目として推奨されてたけど、物理も勉強するの?」と思う方は以下をご覧ください。
なぜなら問題のパターンが限定されており、そのパターンを暗記するだけで十分得点できるからです。
また、他では出題が少なかったですが、特別区では物理が2問出ます。
2問出る前提ならコスパの良い科目なので、頻出範囲だけでもやっておきましょうね。
特別区では難易度の高い内容は出ないので、物理化学などの自然科学が苦手な方でも十分得点できます。
以上のことから、特別区では範囲を絞ってもいいので、全科目勉強しましょう。
また、特別区は最も自然科学が重要ということで、一般的な問題集に加えて「東京都特別区 過去問500」をやることをおすすめします。
都庁志望の捨て科目:原則なし
都庁の出題数は以下の通りです。
- 化学:1問
- 生物:1問
- 物理:1問
- 地学:1問
出題数自体は少ないですね。
しかし、全問必答であり、ボーダーも高くなりがちな都庁の試験において、捨て科目は少なくしておくのが無難です。
1科目捨てる場合は、物理か化学の苦手な方を捨てましょう。
公務員試験では珍しく化学が1問しか出題されず、重要度が低めなので、都庁では化学を捨てるという選択があり得ます。
特にどちらのほうが苦手というのがなければ、他の試験種も頑張りたいなら物理を捨て、都庁にある程度絞って勉強したければ化学を捨てましょう。
都庁も自然科学が重要なうえ、その他の科目でも都庁の過去問に触れるべきなので「過去問500」は必携ですね。
自然科学(物理化学)の勉強法と頻出範囲
捨てる科目は決まったでしょうか?
決まったらいよいよ勉強法と頻出範囲を紹介していきます。
ちなみに、自然科学の参考書に関しては、以下の記事を参考にしてください。
私が受験生の頃に試行錯誤しながら確立したシンプルですが最も効率の良い勉強法・頻出範囲を物理化学と生物地学にわけて紹介していきます。
物理化学の勉強法:計算問題も暗記で対策
文系の方は苦労することも多いであろう物理・化学の勉強法ですが、問題自体の難易度は低いので、苦手な方でも工夫次第で得点できます。
勉強法としては、簡単に言うと分野を頻出範囲に絞って「解きまくり」を解きつつ、つまずいたら「ザベスト」を参照すればOK。(頻出範囲は後述します。)
「解きまくり」と「ザベスト」は、自然科学の参考書でまとめた通り物理化学の問題集・参考書で最もおすすめの組み合わせで、私も使っていました。
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では、この2冊を使った勉強法について解説しますね。
暗記問題はその問題においてキーになっている内容を暗記しておいて、似た問題が出たら解けるようにしましょう。
そして、多くの方が苦手な計算問題は、以下の数的処理の記事でまとめたように、「パターン暗記」という勉強法を使いましょう。
実は物理・化学の計算問題は、「パターン暗記」が非常に効果的です。
計算問題に関しては同じような問題が頻繁に出るためです。
むしろ、今まであまり出ていないような問題が出たら、皆出来ないので解けなくて良いですからね。
ちなみに応用問題は物理・化学が得意な方のみやりましょう。
公務員試験では、「苦手な科目で最低限の問題を解ける」これだけのことでも大きな武器になりますからね。
少し話がそれましたが、物理化学の勉強法はシンプルで計算問題もそれ以外も暗記してしまえば解けますよという話です。
物理化学の頻出範囲【苦手な人はこの分野だけ対策】
最も重要といっても過言ではない、勉強する頻出範囲の絞り方をまとめて解説します。
まず物理に関しては、
- 力学
- 波動
- 電気(余裕があれば)
公務員試験ではこの3つの頻出範囲だけやっておけば、十分得点できます。
ちなみに、上から頻出範囲順になっています。
力学は最頻出ですが、苦手な人も多いかもしれません。
ですが「力学」はパターン暗記による勉強法がハマる内容なので、物理を捨てようと思ってる方もこの分野の基本問題だけやってみても良いですね。
次に化学の頻出範囲に関しては、
- 無機化学
- 理論化学(計算に抵抗がない範囲で)
- 無機化学:単なる暗記科目です
少し覚える量は多いですが難易度は低めです。
頻出範囲なので、「ザ・ベスト+」を上手く使いながらこの分野だけでも得点できるようにしましょう。
- 理論化学:計算問題が多めです
パターン暗記の勉強法で対応できるものが多いです。
一部、化学反応式など、文系には多少難易度が高い内容があります。
そのため、過去問の中で理論化学の考え方がわからなくても解ける問題(パターン暗記で対応できる内容)を学習するのが良いと思います。
計算に抵抗がなければ全て学習するのももちろんアリです。
過去問を一見すると暗記で解けそうな内容ですが、範囲が広く、似た問題が出ることが少ないので、勉強しても得点が安定しません。
基本的に頻出範囲も少なめです。
特別区ではたまに出ますが、やはり得点はしにくいです。
文系であれば仮に特別区が第一志望の方でも、学習しないことをおすすめします。
「コストパフォーマンスの悪い科目・分野には手を出さない」これは公務員試験の鉄則です。
自然科学(生物地学)の勉強法と頻出範囲
さて、先ほどの物理・化学の内容は少し文章も長く、読むのも大変でしたね。
まず、使う問題集だけ気を付けてください。
参考書は「ザベスト」でOKですが、問題集は物理・化学とは異なるものなので。
自然科学の参考書でおすすめした通り、生物・地学共通で、「過去問ダイレクトナビ」という問題集です。
勉強法に関しては、公務員試験の勉強法の主流になりつつある、「正文化」でOKです。
正文化については以下でまとめてますのでご覧ください。
(過去問ダイレクトナビについても詳しく紹介しています)
正文化で進めつつ、理解しにくい部分や暗記が大変な部分は「ザベスト」を参照するという形ですね。
基本的には物理化学と同じ勉強法なので、説明不要かと思います。
この「正文化」が既にしてあるのがダイレクトナビで、これを使うと効率は一気に上がります。
理由はお分かりかもしれませんが、計算問題に正文化は向きませんから。
生物・地学はたまに計算問題がありますが、難しい問題はないので大丈夫でしょう。
生物地学の頻出範囲
公務員試験では生物も地学も、頻出範囲はありません。
なにより、生物地学はダイレクトナビを使えばかなり簡単に攻略できるので、「ダイレクトナビ」の問題を全てやっちゃいましょう。
「全範囲やるの大変そう・・・」と思いましたか?
「ダイレクトナビ」の問題それぞれ50問ずつを何周か回すだけです。
正文化の勉強法と「ダイレクトナビ」を使えば、一度も文字を書かない上、ぺージをめくらずに解説が読めるので時間は想像以上にかかりません。
それに比較的暗記が楽な2科目なので、それほど苦労しないはずです。
以上の勉強法で、この2科目はこれから確実にあなたの武器になるはずですよ。
自然科学の頻出範囲・勉強法まとめ
- 自然科学の捨て科目を決める際は、この記事を参考に、公務員試験別で考えよう!
- 物理・化学は苦手な人でも「範囲を絞る」&「パターン暗記」による勉強法で最低限の得点を確保しよう!
- 生物・地学は正文化を使って、効率よく、確実に得点源にしていこう!
自然科学で悩んでいる方は多いと思います。
ただ、悩みの内容も試験種や勉強の進み具合によって違ったりするので、今回は「出来る限り様々な方の悩みを解決する手助けになる記事を書こう」と意識しました。
話がそれましたが、自然科学は正しい勉強法や参考書を選び、実践すれば、難易度は高くないんです。
特に特別区なんかは自然科学で点数が取れれば非常に大きなアドバンテージになります。
苦手意識があった方も、この記事を読んで「やってみようかな」という気持ちになっていただけたら幸いです。
特に以下の3冊の参考書・問題集は実際に私が実際に使用して全国2位を獲得し、多くの公務員試験に上位合格したものなので、間違いないと思いますよ。
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このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。
公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。