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教養のみの公務員試験対策って情報が少ないので難しいですよね。
勉強法自体は専門ありとそこまで大きくは変わらないのですが、ボーダーや捨て科目は変わってきます。
今回は、教養の模試で全国2位をとり、複数上位合格した現役講師の私が、教養のみの公務員試験を徹底解説します。
目次
教養のみの公務員試験はボーダーが高い?
さて、教養試験のみ(専門試験なし)で受験する場合は筆記のボーダーが少し高くなることは知っている方も多いでしょう。
一般的には、教養のみの公務員試験の方が倍率も高くなることが多いです。
でも、専門ありの場合に専門試験の勉強に割かなければいけない時間を、全て教養に充てることができるので、これは当然なんです。
なので、筆記試験を通過するだけなら、専門ありの場合と比べて「ボーダー」は高くても、「難易度」は同じくらいだと思います。
詳しくは後述しますが、簡単に言えば「社会人経験がある受験者が多いので周りの面接レベルが高い」というのが理由です。
では、教養のみの公務員試験のボーダーや難易度について、筆記と面接に分けて説明していきます。
筆記のボーダーは高いが、難易度は変わらない
まず、教養のみで受ける場合のボーダーについてですが、もちろん受験先によって異なります。
ただ、やはり専門ありと比べると、高くなっています。
目安ですが、教養のみのボーダーは、6割5分前後だと思ってください。
公務員試験は6割で合格できると言われているので、こちらのボーダーは比較的高いと言えます。
かといってビビる必要はありませんよ。周りの受験生は教養だけに勉強時間を割けるので、当然と言えば当然です。
そして、あなたも同じ条件なんですから。
教養のみに集中して勉強することができるので、勉強法さえ間違えなければ6割5分くらい安定してとれるようになりますよ。
教養のみでは面接の難易度が特に上がる
「教養のみと専門ありの試験で、面接の難易度は変わらない」と思っている方は多いと思います。
その理由は、受験者層にあります。
教養のみの受験生は学生よりも、時間に余裕がない社会人のほうが多いんです。
そのため、公務員への転職を狙う際は「筆記の勉強時間は最低限に抑えつつ、面接では会社で培ったコミュニケーション能力や実務経験をアピールする」というのがベストなんですよね。
以上のことから、社会人は「教養のみ」の公務員試験を受験することが多くなり、自ずと面接のレベルは上がります。
まあ格段にレベルが高くなるわけではないので、安心してください。
もちろん「面接が苦手な社会人」や「面接が得意な学生」もいるので一概には言えませんが、平均すれば間違いなく社会人のほうが面接に強いです。
なので、「面接に自信がない方」が教養のみで受ける場合は、面接対策をがっつりやって臨みましょう。
教養のみで公務員試験を受ける方の勉強法
教養のみで受験する場合も、基本的に勉強法は変わりません。
公務員試験はどんな試験種・試験形式でも「暗記効率×勉強時間」ですべてが決まります。
それについては以下で紹介しています。
公務員試験に必要な要素は全てこの記事に書いてあります。
上記の記事は、教養のみ・専門あり関係なく、「これだけできていば公務員試験は合格できる」というのを記事にしました。
少し話がそれましたね。
この記事は「教養のみ」の記事なので、教養のみの公務員試験で重要な勉強法を2つほど紹介していきます。
勉強する順番はこれで決まり!
教養のみで受験する場合は以下の順番に勉強してください。
①数的推理、文章理解
②物理・化学
③人文科学、社会科学、生物・地学
④時事、思想
これをスクショでも何でもして、この通りに勉強してください。
「勉強する順番」だけで、周りの受験生に差をつけられるなら、やらない手はないですよね?
以下の「勉強順の決め方」を解説した記事でも書きましたが、本番までに仕上げしまえばメイン科目もサブ科目も関係ないですからね。
私は、「忘れにくい科目から」順番に勉強すべきだと断言します。
なので、まずは上記の①にあるように、以下の科目から始めます。
- 一度問題パターンを暗記してしまえば忘れにくい数的推理
- 暗記が少なく、正しい方法でやれば安定して得点が伸びる文章理解
ちなみに、「数的なのに暗記なの?」もしくは「文章理解って安定して得点が伸びるの?」と思った方は以下の記事を参考にしてください。
②次に、物理・化学も数的ほどではありませんが計算問題が多いので、ここでやっておきましょう。
③ここまでくるとがっつり暗記科目です。
暗記科目をこんなに連続でやるのは精神的に少し大変かもしれませんが、正文化を活用して効率よく学習していきましょう。
④これらも暗記科目なんですが、時事は参考書が発売する時期が遅く、また思想は短期記憶で乗り切ってしまうのがおすすめなので、最後にしました。
ぜひ、以上のような順番で勉強してください。
効率最重視で、勉強スケジュールから周りに差をつけていきましょう!
教養のみで捨て科目は作らない方がいい?
「教養のみで受ける人は教養にすべての時間を割けるんだから捨て科目をつくらないほうがいい」って聞いたことありますよね?
それも間違ってはいないんですが、私の結論はこうです。
「捨て科目ナシでいけるならそれでいいが、1.2科目捨てたところでなんの問題もない」
「教養にすべての時間を割ける」といっても、そもそも教養のみで受験する方って以下のような事情で時間がない方も多いと思うんです。
- 公務員試験の勉強を始めるのが遅かった
- 仕事しながら勉強をしている
- 民間と公務員を併願している
こういった事情で元々時間がなくて教養のみを受験したのに、「専門の勉強する必要なくて、時間あるんだから捨て科目はつくらないほうがいい」っていうのはおかしいかなと。
それに、そもそも「捨て科目を作るのは悪いことじゃない」です。
苦手なサブ科目や受験先であまり出題されない科目は勉強しないほうが、他の科目に時間を回せますからね。
具体的に「教養のみで受験する方は何を捨てれば良いのか」というと、以下の中から、苦手or第一志望で出題が少ない科目を1~3個選んで捨ててください。
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 物理
- 化学
- 地学
逆に上記の6科目は「学習に時間がかかる」もしくは「試験種によってはあまり出題されない」科目ですね。
「教養のみで受けるのに捨てるのは不安」って思いますか?
これくらい捨てても大丈夫ですよ。
この試験は8割とか9割じゃなく、6割5分とれれば十分なんですから。
教養のみで公務員試験を受けるか迷ってる方へ
最後に、教養のみ・専門あり どちらで公務員試験を受けようか迷ってる方向けです。
簡単にそれぞれのメリットを上げますので、これを参考に決めてください。
この記事を参考に、自信で決めてもらうのが一番かと思います。
教養のみで公務員試験を受験するメリット
- 合格に必要な勉強時間が少ない
これが最大のメリットです。
やはり、教養試験のみに集中できるので、勉強時間は必然的に少なく済みます。
本来、一般的には公務員試験に合格するには1000時間必要と言われていますが、500~600時間あれば合格することができるかと思います。
- 今まで勉強したことがある内容だけで受験できる
教養科目は、高校までに勉強してきた科目ばかりですよね。
「そんな昔に勉強したことは忘れてるよ」と思うかもしれませんが、専門試験で、全くやったことのない科目を一から勉強するのって意外と辛いです。
教養は一度触れたことのある科目ばかりですので、新しい科目を勉強をせずに済むというのは大きなメリットですよ。
この2点が「教養のみ」で受験するメリットです。
「専門あり」で受験する3つのメリット
- 倍率が比較的低い
単純に数字上の倍率が、「教養のみ」の公務員試験より低くなることが多いです。
ほとんどの自治体では元々の募集人数がこちらのほうが多いですからね。
- 面接のレベルがそれほど高くならない
社会人経験者が多い「教養のみ」と違い、学生が半数以上を占めることが多いので、筆記で絞られることも考えると、面接で求められるレベルは比較的高くはありません。
- 併願がしやすい
これが最大のメリットだと思います。
やはり教養のみだと、一部の市役所や都庁は受けられても、特別区や国家一般などの公務員試験は受けられません。
「第一志望以外行きたくない」という方ならいいのですが、多くの方は併願をしてリスクヘッジをしたいと思うので。
以上が「専門あり」のメリットです。
教養のみで公務員試験を受ける場合の参考書
教養のみで受けるといっても、使う参考書は基本的に同じです。
私が実際に使っておすすめできると自信を持って言える参考書を、簡潔に紹介していきますね。
【教養のみ】文章理解・数的処理の参考書
文章理解・数的処理は、「スー過去」でOKです。
公務員試験対策で最も使われている、有名な参考書ですね。
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文章理解については、一応スー過去じゃなくてもいいです。
頻出問題という概念もなく、解説が合う参考書は人それぞれですからね。
ただ、スー過去は万人に合う王道の解き方・解説が掲載されてるので、強いこだわりがなければスー過去でOKです。
問題の分量もちょうどいいですしね。
【教養のみ】自然科学の参考書
自然科学の参考書は、物理化学・生物地学によって異なります。
また、受験先によっても使うべき参考書は変わってきます。
なので、以下の記事をご参照ください。
この記事は専門ありも視野に入れて書いたものですが、自然科学については基本的に変わりません。
【教養のみ】時事の参考書
時事の参考書は、やはり速攻の時事一択です。
殆どの受験生が使っている参考書で、頻出ポイントを確実に、かつ効率的に抑えることができます。
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また、教養のみの受験生は、求められるボーダーも高いので「実践トレーニング編」まで確実にやっておきましょう。
問題形式で演習することで、知識をアウトプットしながら自分のものにできます。
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【教養のみ】その他科目の参考書
その他の科目ですが、「過去問ダイレクトナビ」が自信を持っておすすめできます。
既に正文化がしてある参考書で、かなり効率的に暗記していくことができます。
教養のみの公務員試験まとめ
- 教養のみでは、実は面接の難易度が高くなる!
- 「勉強する順番」と「捨て科目を適切に選ぶ」ことで、周りに差をつけよう!
- 「教養のみ」「専門あり」 それぞれにメリットがあるので、迷っている方はこの記事を参考にして決めよう!
今回は「教養のみ」の公務員試験に焦点を当てて記事を書いてみました。
「教養のみで受験している人は面接が上手い人が多い」という話を前半でしましたよね。
そのため少し面接のレベルは高くなってしまうのですが、「勉強時間が少なくて済む」というのはそれを補って余りある魅力だと、私は思います。
どちらかに決めたら、あとは自分の決断を疑わずに、合格に向かって最短距離を突き進んでくださいね!
この記事が「教養のみ」の試験のことで悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
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このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。 公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。