公務員ラボへようこそ。
受験生時代はLEC模試で全国2位を獲得し、裁判所事務官をはじめとする多数の公務員試験に合格した私が、合格に必要なことを全て書きます。
第一志望の方はもちろん、併願の方もこの記事を読んで実践すれば、間違いなく筆記試験の合格に一歩近づくと思うので、是非最後までお付き合いくださいね。
この記事では、筆記試験対策に絞って紹介します。
面接対策は筆記試験が終わってからでもOKですが、筆記試験前に行っておく面接対策としては、以下の方法で自身の強みを把握しておくことがおすすめです。
目次
裁判所事務官の難易度(科目別)・出題数
どの公務員試験でも重要なことですが、まずは、筆記試験の出題数と科目別の難易度を把握しましょう。
「もう知ってる」という方は、目次からお好きな項目へ飛んでくださいね。
教養試験の出題数・科目別難易度
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 | 内訳 |
文章理解 | 10 | ◎ | やや難 | 現代文:5 英語:5 |
数的処理 | 17 | ◎ | 普通 | 数的:6 判断:10 資料:1 |
人文科学 | 4 | △ | 普通 | 日本史:1 世界史:1 地理:1 思想:1 |
社会科学 | 5 | 〇 | やや易 | 政治:2 経済:2 社会:1 |
自然科学 | 4 | △ | やや易 | 化学:1 物理:1 生物:1 地学:1 |
合計 | 40 (必須回答) |
ー | やや難 |
ー |
教養試験の出題科目と科目別難易度は以上の通りです。
公務員試験の中でも一般知能分野の出題が多いことが特徴ですね。
特に判断推理だけで全体の4分の1を占めているので、間違いなく最も重要な科目になるでしょうね。
専門試験の出題数・科目別難易度
科目 | 出題数 | 重要度 | 難易度 |
憲法 | 7 | 〇 | 難 |
民法 | 13 | ◎ | やや易 |
経済理論 (刑法と選択) |
10 | 〇 | 普通 |
刑法 (経済理論と選択) |
10 | 〇 | やや易 |
合計 | 30 | ー | やや難 |
専門試験の出題科目と科目別難易度は以上の通りです。
また、憲法の難易度は公務員試験中トップクラスで、国家総合職と同レベルの問題が出題される印象です。
裁判所事務官のボーダー・難易度
次に裁判所事務官のボーダーと難易度に関してですが、「そんなことより勉強法が早く知りたいという」方も多いと思うので、簡潔に書いていきますね。
ちなみに、難易度とボーダーを含むこの記事の情報は、私自身の受験生時代の経験と、チューター・講師を経験する中で、予備校生の成績から導き出したボーダーと難易度です。
我ながら、生の声に基づいた信頼できるデータになっていると思いますよ。
裁判所事務官の難易度・特徴
結論から言うと、難易度は、公務員試験の中では中の上程度です。
国家一般職と同じか少し難しいくらいという印象ですね。
では、具体的にどのような点が難しいのでしょうか。
裁判所事務官の試験の特徴は以下の3点です。
- 筆記・面接共に倍率がどちらも3倍程度
公務員試験の中では倍率は高い方といえるでしょう。
筆記か面接のどちらかがこの倍率を上回る試験はあっても、どちらも上回る試験は少ないです。
- 専門択一は【憲法・民法・経済学or刑法】と3科目しか出題されず、難易度も高め
これは一長一短ですね。
それぞれの出題数がかなり多いので、この3科目が得意な人ならかなり有利ですが、1つでも苦手科目があると厳しいです。
- 専門記述の科目が憲法しかなく、選択の余地がない
これも、「1科目しか勉強しなくていい」と捉えるか、「保険として別の科目を準備することができない」と捉えるかは人それぞれでしょうね。
裁判所の試験の主な特徴は以上です。
地方公務員や国家一般志望の方には専門記述があるだけでもハードルは上がってしまいますよね。
ただ、やはり裁判所の難易度を高くしているのは倍率によるところが大きいと思います。
ちなみに、裁判所は他の公務員試験より女性の倍率は面接で多少下がりますし、男性は上がります。
裁判所事務官のボーダー
裁判所事務官のボーダーは、択一に関しては6割と思ってください。
年によっては6割とっていても落ちた人・5割後半で合格した人もいますが、そういったケースは少なかったので概ね6割前後がボーダーとみていいと思います。
ちなみに、専門記述は1次試験では考慮されず、2次試験で適用されることになりますので、1次のボーダーとは無関係になります。
裁判所事務官の筆記試験の勉強法【教養】
では、まずは教養の勉強法から入っていきます。
とはいえ、公務員試験全体としての各科目の勉強法は以下で解説してますので、ここでは公務員試験の中でも裁判所事務官に特化した勉強法・学習戦略を解説します。
一般知能(特に判断推理)は確実に得意科目にしよう!
文章理解
文章理解は以下の記事を参考に自分の解き方を確立して、あとは毎日少しずつ解くことを継続していきましょう。
数的処理
他の公務員試験も受けるのであれば、捨てないことをおすすめします。
もし捨てる場合は、他の科目で得点できるように、しっかり勉強しましょうね。
一般知識は最低限の勉強で乗り切ろう!
- 自然科学の中で1or2科目
裁判所事務官の筆記試験では、これくらいは捨てていいです。
捨て科目を作るメリットや選び方については、以下の記事を参考にしてください。
とにかく裁判所は一般知識を最低限の時間で攻略したいので、捨てずに勉強する科目も、分野単位で捨てつつ、頻出分野のみを勉強しましょう。
裁判所事務官の筆記試験の勉強法【専門択一】
次に専門試験のほうです。
こちらも、択一に関しては教養と同じく、勉強法は以下に詳しく書いていますので、効率を追求した学習戦略という形になります。
憲法は応用問題までやっておこう
裁判所事務官の筆記試験で最も難しい問題が出るのが、この憲法です。
以下の記事でも説明しましたが、憲法は得意な人が多い科目です。
公務員試験の中でも、裁判所の筆記試験では、周りの受験生も憲法をかなり勉強して、武器にしてきてます。
具体的には、問題集の最高難易度の問題(スー過去で言うと難易度3)までやっておきましょう。
私は基本的に「スー過去の難易度3は時間があればやったほうがいい」くらいの方針なのですが、裁判所の憲法では、問題の難易度を考えてもやっておくべきです。
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民法は苦手であれば克服しておこう!
なぜなら、憲法と違って、基本的な問題の出題が多いからです。
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経済理論or刑法、どっちがおすすめ?
これに関しては、悩む人も多いと思います。
しかし、答えはシンプルです。以下の基準で選んでください。
- 裁判所専願→刑法
- 他の公務員試験の志望度もそこそこ→経済理論
この基準で選んでください。
理由としては、刑法のほうが安定して得点できるが、経済理論のほうが他の試験での汎用性が高いからです。
刑法は範囲が広いですが、裁判所事務官の筆記試験は基本的な出題が多めで、ある程度勉強すれば得点源になるでしょう。
刑法の勉強には割と時間がかかります。
そのうえ、それだと実質ミクロ・マクロを捨てたことになるので、他の公務員試験で合格するのはかなり厳しくなるからです。
裁判所の経済理論は、難しくはありません。
それに、苦手な人でも経済理論は暗記で何とかなるので、以下の記事を参考に勉強してみてください。
裁判所事務官の筆記試験の勉強法【専門記述】
最後に、専門記述の勉強法について書いていきます。
まず、専門記述の一般的な勉強法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
正直、これを読んでこの通りに勉強するだけでも十分合格できると思います。(笑)
なのでここでは択一と同じように、裁判所も「専門記述に絞った学習戦略」を書いていきます。
「1次試験は通ったけど、記述が全然できなくて2次は面接行くまでもなく不合格」というここともあるので、しっかり勉強していきましょうね。
一行問題の対策をしておこう
裁判所の専門記述の大きな特徴として、1行問題が出題されることが挙げられます。
これは事例問題よりもかなり回答がしやすい出題です。
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正直、参考書はこれ一択ですね。
論点はいくつ準備すればいい?
裁判所の専門記述は、典型論点しか出題されません。
また、1行問題なので、準備していない論点が出題されても、意外と最低限の答案は書けたりします。
なので、都庁などを受験する場合と比べて、論点の数は少なくても大丈夫です。
どうしても不安な方は、40論点あれば安心だと思います。
【重要】裁判所事務官の筆記試験で必須の問題集
最後に、裁判所事務官を受験する方に必須となる問題集を紹介します。
筆記試験を合格するうえで、できる限りやっておくことをおすすめします。
裁判所事務官の筆記試験対策には「本試験過去問題集」
有名な問題集ですが、「裁判所事務官 本試験過去問題集」はスー過去などと違って「一つの受験先に特化した対策」ができる問題集です。
「過去問500」という類似の問題集がありますが、裁判所事務官では「過去問500」がないのでこちらの問題集をやることになります。
「裁判所事務官 本試験過去問題集」をやるメリットは2つです。
- 最新の出題傾向を把握
- 似た問題が出た時に確実に得点
スー過去などは「全ての受験先に対応できる問題集」なのですが、国家一般職の筆記試験に特化した対策ができるかと言うと、Noです。
裁判所事務官の筆記試験で出題された問題は、似たパターンの問題がもう一度出ることも多いので、やっておくとかなり得点が安定しますよ。
裁判所事務官の対策まとめ
- 裁判所の教養は、一般知能に力を入れて対策しよう!
- 憲法は応用まで、民法は基本に力を入れて対策しよう!
- 裁判所専願なら刑法を、他の志望度も高いなら経済理論を選択しよう!
- 専門記述は、1行問題に力を入れて、20~30論点は準備しよう!
- 筆記試験前の面接対策は時間をかけなくてOKだが、自己分析程度はしておくとベスト!
個人的に裁判所事務官の合格に必要だと思うことは、すべて盛り込んだつもりです。
専門択一が3科目だけ・専門記述が1科目だけというのは、志望度が高い人にとっては他の科目をやらなくて済むので、むしろ都合が良いと思います。
効率的な勉強を意識して、ぜひ裁判所事務官の合格通知をゲットしてください!
この記事が、裁判所事務官の筆記試験の勉強法で悩む皆様のお役に立てれば幸いです。
以下の参考書・問題集は裁判所事務官の受験に特におすすめで、私も実際に使用していたので、是非試してみてください。
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このサイトでは他にも、公務員試験で複数上位合格した現役講師の私が、筆記・面接・論文について解説しています。
公務員試験に必要な情報は全てここに詰まってるので、是非見ていってください。